跡見学園創立150周年記念スクールバッグ、マザーハウスとの共創で誕生
跡見学園中学校高等学校(東京都文京区)は、創立150周年を記念して、生徒たちの声を反映した特別なスクールバッグを完成させた。このプロジェクトは、バッグ製作を通じて、生徒たちが「本物」に触れる機会を提供し、豊かな心を育むという学校の教育方針に基づいて実施された。製作を担ったのは、「途上国から世界に通用するブランドをつくる」を理念に掲げる株式会社マザーハウス(東京都台東区)。代表でありデザイナーの山口絵理子氏が生徒たちと意見を交わしながら約1年半かけて製作を行った。
プロジェクトの始まり:校長からの一通のメール
2023年8月、跡見学園の松井真佐美校長がバッグ製作を相談するメールをマザーハウスに送ったことが、このプロジェクトの出発点だった。松井校長は、マザーハウスのバッグを愛用しており、さらにテレビ番組で山口氏の起業ストーリーを知ったことでその理念に共感。「自分の人生を自分で選び取れる人を育てたい」という学校の教育方針と山口氏の哲学が一致することから、記念バッグの製作を依頼した。
山口氏はこの提案を快諾。中高6年間をともにするバッグである以上、生徒たちの意見やアイデアを中心に設計されることになった。
生徒たちの声が生んだデザインと機能
製作の過程では、以下のような生徒たちの意見が反映された。
- 中高6年間使い続けられる「丈夫さ」と「軽さ」を重視しながらも、「かわいい」と思えるデザインにすること。
- リュック型ではなく、スクールバッグ型を希望。
- 中学校の机の横に掛けても底が床につかないベルトの長さに調整。
- 生徒手帳、iPad、水筒、パスケースといった日常的に持ち歩くアイテムのサイズに合わせたポケット収納を配置。
また、色についても生徒たちの意見を反映。スクールカラーである「紫紺」に合うネイビーを基調とし、ベルトの色についてはネイビーとブラウンの2種類の試作品を用意。校長室前に展示し、生徒全員による投票の結果、バッグ生地と同色のネイビーが選ばれた。さらに、軽量化のため金具を最小限に抑えつつ、レザーには校章の桜を銀箔で刻印するなど、細部にもこだわりが詰まっている。
この記念バッグは、2025年度入学生の中学1年生全員に配布されるほか、希望する在校生にも販売される予定だ。