学習塾が勧める中高一貫校ランキング2021
理数教育に力を入れている中高一貫校
写真=宝仙学園中学校・高等学校の教科「理数インター」の様子
首都圏では中学受験人気が継続しているが、コロナ禍で学校の情報が思うように入手できない状況が続いている。そこで役立てたいのがエキスパートの意見だ。首都圏の学習塾にアンケートを実施し、289学習塾の塾長、教室長から回答を得た。項目別に学校を5校連記で記入してもらい、最初の一貫校を5ポイント、次を4ポイント……として集計した。今回は「理数教育に力を入れている中高一貫校」だ。
1位は芝浦工業大柏がランクイン。2位は広尾学園、3位は東邦大付東邦、4位は宝仙学園、5位は芝浦工業大附と続いた。
1位の芝浦工業大柏は、中学校は入試の上位者を1クラスに集めた「グローバルサイエンス(GS)クラス」を設置。一般クラスとはカリキュラムの大きな違いはないが、特別講座などへの参加を優先的に促している。また、希望者対象の英語入試を突破して入学した生徒に向けた特別講座も用意。一般クラスは毎年クラス替えを行うが、GSクラスは原則2年間クラス替えがなく、中学3年次に一般クラスとGSクラス合わせて学年全体のクラス分けをする。また、高校は「グローバルサイエンス(GS)クラス」と「ジェネラルラーニング(GL)クラス」を設置。GSクラスは、週2時間の特設授業で実施する探究活動を行いながら、東大をはじめとする最難関国公立大学をめざす。
4位の宝仙学園は、仏教精神を基調とした人間教育により、品格と知性を兼ね備えた人材を輩出してきた。「理数インター」はその建学の精神に基づき、21世紀の世界標準となる教育を実践するため創立された。一人ひとりの可能性を最大限に伸ばしながら、理数的思考力を育成する。2016年から中学で始まった教科『理数インター』は、教科書を使わず、多教科の要素の入ったチーム・ティーチングによる授業を実施。答えのない問いにアプローチし、コミュニケーション力やプレゼンテーション力など、自ら考えて答えを導き出す力を養う。また、「Follow」の時間で理解度に応じた学習指導を行うなど、教員は一人ひとりの定期試験や模試の結果などを把握し、分析結果をもとに目標を定めた指導を行っている。
5位の芝浦工業大附は、理工系教育に力を入れ、「ものづくり」マインドを育てながら、グローバル社会に対応する確かな学力を身につけることをめざす。「中高一貫コース」では、6年間を2年ずつ前期・中期・後期の段階に分けている。前期では英数の基礎力を養成しながらコミュニケーション能力を養う特別授業「ランゲージアワー」を実施。中期の中学3年次には、実験・工作の体験授業「サイエンス・テクノロジーアワー」で、サイエンスリテラシーの基礎を養成。「情報教育」には独自のカリキュラムを採用し、コンピュータの基礎的な技術からプログラミングまで幅広く学ぶ。また、理工系大の附属校というメリットを生かし、各学年で大学の最先端研究に触れる機会も用意している。
<表の見方>
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首都圏の学習塾にアンケートを実施し、289学習塾の塾長、教室長から回答を得た。項目別に学校を5校連記で記入してもらい、最初の一貫校を5ポイント、次を4ポイント…として集計した。
※印は国立、無印は公立、◎印は私立を表す