学習塾が勧める中高一貫校ランキング2021
最近、合格実績が伸びていると思われる中高一貫校

学習塾が勧める中高一貫校ランキング2021 最近、合格実績が伸びていると思われる中高一貫校

写真=広尾学園中学校・高等学校


首都圏では中学受験人気が継続しているが、コロナ禍で学校の情報が思うように入手できない状況が続いている。そこで役立てたいのがエキスパートの意見だ。首都圏の学習塾にアンケートを実施し、289学習塾の塾長、教室長から回答を得た。項目別に学校を5校連記で記入してもらい、最初の一貫校を5ポイント、次を4ポイント……として集計した。今回は「最近、合格実績が伸びていると思われる中高一貫校」だ。

1位は広尾学園がランクイン。2位は本郷、3位は洗足学園と続いた。

1位の広尾学園は、中学、高校ともに「本科」「インターナショナル」「医進・サイエンス」の3コース制。2007年の共学化に伴う学校改革に伴い、教育環境の整備と教育活動の高度化を推進。「次世代を担う生徒たちにふさわしい環境と機会を提供する」というミッションのもと、特色ある英語教育、サイエンス教育、ICT活用、人間教育を展開している。生徒の進路は難関国公私立大から海外大まで幅広い。21年春は、東大3人、京大2人、北海道大9人、一橋大3人、東京工業大・東京外国語大各1人、早稲田大67人、慶應義塾大50人、上智大82人、東京理科大59人。特に早慶上理は20年度春と比較すると倍以上に伸ばした大学もあり、MARCHの合計も269人と前年を上回った。

2位の本郷は、中高一貫教育による無理・無駄を省いた指導で効率的な学習を図り、ゆとりある学園生活を送れるカリキュラムを用意。中学では学力均等クラスによる授業を行い、中学2年終了までに英・数・国の中学課程を終わらせ、理・社でも一部高校の内容を取り入れることで効率化を図っている。さらに高校では、学年により理解度に差のつきやすい数学・理科・英語などで習熟度別同時限授業や少人数授業を導入するなど、きめ細かな指導を行っている。四年制大学への進学希望者は100%。国公立大と早慶上智、東京理科大の合格者数は、18年412人、19年416人、20年452人、21年493人と増加傾向だ。近年は国公立上位校や私立難関校への志向が一層強まり、医歯薬系の進学希望者も増えているという。

3位の洗足学園は、2011年と2021年の合格者数を比較した「慶應義塾大合格者が増えている学校上位20校」「早稲田大合格者が増えている学校上位20校」ランキングでそれぞれ4位にランクイン。慶應義塾大の合格者は2011年39人→2021年90人で51人増、早稲田大は2011年43人→2021年103人で60人増。こうした傾向は上智大や東京理科大、MARCHのほか、国公立大や医学部などでも同様であり、確実に生徒の力を伸ばしている。また、25年以上前からグローバル化を見据えて英語教育に注力してきたことも特徴だ。基礎学力だけでなくヒアリングや英会話など、実践的な英語力を育成。帰国生の積極的な受け入れや多様な海外研修プログラムなど、生徒たちの豊かな国際感覚を養っている。

<表の見方>

首都圏の学習塾にアンケートを実施し、289学習塾の塾長、教室長から回答を得た。項目別に学校を5校連記で記入してもらい、最初の一貫校を5ポイント、次を4ポイント…として集計した。
※印は国立、無印は公立、◎印は私立を表す


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