学習塾が勧める中高一貫校ランキング2021
グローバル教育に力を入れている中高一貫校

学習塾が勧める中高一貫校ランキング2021 グローバル教育に力を入れている中高一貫校

写真=八雲学園中学校・高等学校


首都圏では中学受験人気が継続しているが、コロナ禍で学校の情報が思うように入手できない状況が続いている。そこで役立てたいのがエキスパートの意見だ。首都圏の学習塾にアンケートを実施し、289学習塾の塾長、教室長から回答を得た。項目別に学校を5校連記で記入してもらい、最初の一貫校を5ポイント、次を4ポイント……として集計した。今回は「グローバル教育に力を入れている中高一貫校」だ。

1位は八雲学園がランクイン。2位は広尾学園、3位は昌平、4位は茗渓学園、5位は郁文館と続いた。

1位の八雲学園は、中学1年次からネイティブ教員が発音指導するオーラルコミュニケーションなど、実戦的な使える英語を効果的に学ぶシステムを確立している。その成果は「英語劇」や「英語祭」「スピーチコンテスト」などで発揮され、中学3年次には全員がアメリカ西海岸にある海外研修センター「八雲レジデンス」での研修に参加。現地では高校生の希望者に向けた研修も行われ、卒業までの目標であるCEFR(セファール)C1レベル到達に挑戦する。また、世界50カ国の私立学校200校が所属する国際私立学校連盟「ラウンドスクエア」に加盟しているほか、海外協定大学推薦制度「UPAA」を導入し、2021年にはマンチェスター大学をはじめ4校への合格を果たしている。

2位の広尾学園は、中学・高校ともに、海外の名門大学への進学も可能な「インターナショナルコース」を設置している。中学では、高度な英語力を持つ生徒を対象とする「アドバンストグループ」と、入学後から高度な英語力を身につけていく「スタンダードグループ」に分かれる。また、日常的に基礎学力を高めることを重視しており、英語と数学の基礎内容を朝繰り返し学習する「朝の学習」も特徴的なプログラム。高校でのインターナショナルコースは「アドバンストグループ」のみとなり、各分野の高い専門性を持つ25人の外国人教師による革新的な授業で、国内外の名門大学をめざす。

3位の昌平は、全国でも数少ないIB(国際バカロレア)ワールドスクールだ。世界に通用する英語力と国際感覚を養う英語教育計画「パワー・イングリッシュ・プロジェクト(PEP)」を柱に、グローバル人材育成プログラムを展開する。中学校は全生徒を対象に授業を行うMYP(ミドルイヤーズプログラム)認定校であり、2019年度には高校にもIBコースを設置、DP(ディプロマ・プログラム)認定校として、世界基準のカリキュラムが用意されている。また、オーストラリアの2校と姉妹校提携を結んでおり、夏休みにはホームステイしながら現地の授業に参加する2週間の短期語学研修を実施している。

4位の茗溪学園は、2015年にスーパーグローバルハイスクールアソシエイト校に指定され、現在は国際バカロレア・ディプロマプログラム(IBDP)認定校だ。中学校には「グローバルコース」が設置され、3年間の英語授業を特別クラスで受講する。また、外国人との交流イベントや英語劇などを定期的に開催し、高校2年次には5泊7日でオーストラリアを訪れる海外研修旅行を実施。滞在中は農場でのファームステイや、現地の学校との交流といったさまざまなプログラムが企画されるほか、テーマ別に8人程度の班で行う現地での探究型学習を通して国際感覚を身につけていく。

5位の郁文館は、中学校に「グローバルリーダー特進クラス」が設置され、2021年4月には6カ年特待生で“世界人財”を育成する新クラス「iP class」がスタート。1人1台のノートパソコンを利用した「個別対応型英語教育」も推進している。高校進学時には、同じ敷地内にある郁文館グローバル高等学校を選択することも可能。日本人とネイティブスピーカーの専任教員による複数担任のもと、英語で考え英語で表現する訓練が日常的に行われる。郁文館グローバルでは、2年次に全員がニュージーランド、カナダ、オーストラリアに1年間留学。帰国後は海外大学や国内の難関大学をめざすためのカリキュラムが組まれている。

<表の見方>

首都圏の学習塾にアンケートを実施し、289学習塾の塾長、教室長から回答を得た。項目別に学校を5校連記で記入してもらい、最初の一貫校を5ポイント、次を4ポイント…として集計した。
※印は国立、無印は公立、◎印は私立を表す


学習塾が勧める中高一貫校ランキング2021 グローバル教育に力を入れている中高一貫校