【2021中学入試ルポ】大学合格実績の好調をアピール|十文字中学校

【2021中学入試ルポ】大学合格実績の好調をアピール|十文字中学校

2月1日に解禁となった、東京都の私立中学入試。入試までに至る、コロナ禍での各校の取り組みにはどのようなものがあったのか。十文字中学校・高等学校(東京都・豊島区・女子校)の入試募集対策室長の和田𠮷弘氏と副室長の池田力氏に話をうかがった。

コロナ禍で受験生や保護者に学校を知ってもらう場が思うように作れず、オンラインでの説明会など、受験生や保護者との接点は限られたが、6月より人数を制限して対面での説明会を実施した。その中で、和田室長が特にアピールしたのが昨年の大学合格実績の好調ぶりだった。特筆すべきは、お茶の水女子大学理学部や埼玉大学理学部、東京医科歯科大学など、国公立大学の理系学部に合格した生徒が多数いたことだ。

「本校では、教育改革の旗印である『Move on プロジェクト』のもと、理数教育に力を入れています。その結果、理系学部がある国公立大学をはじめ、より高いレベルの大学を目指す生徒が増えました。ちなみに昨年、理系大学に進学した生徒は、大学進学者全体の3割です。このことが、中学受験の保護者にも受け入れられたのではないかと考えています」(和田室長)

2020年春の大学合格実績は、国公立大学に15人、早慶上理・ICUに23人、MARCH・G(明治・青山学院・立教・中央・法政・学習院大学)に95人。昨年は、最後のセンター試験だったため安全志向が高まる中、生徒たちは、最後まであきらめることなくチャレンジした。

また、広報活動においては、生徒広報委員の活躍があった。この委員会は自主活動で、高校1年生、2年生を中心に約100人のメンバーが参加している。夏以降に定員制で実施された説明会での学校紹介やSNSを使った情報発信などを行った。

「やはり生徒の力は大きいです。例えば文化祭。オンラインで開催し、43の団体が発表を行いました。出来栄えはどれも素晴らしいものです。3月まで一般公開もされていますので、ぜひ見ていただきたい。コロナ禍でさまざまな制約がある中、生徒は本当に頑張ってくれました」(池田副室長)

十文字中学校・高等学校の2021年中学入試志願者数は、832人で、昨年に比べ66人の増加となった。今年から新設された「特別入試」の志願者数を差し引いても、39人の増加だ(帰国生入試をのぞく)。さらに、入学手続き者数も入学定員を大きくオーバーしている(2021年2月12日現在)。大学合格実績の伸長と、学校一丸となった受験生や保護者へのアピールが、奏功したのではないだろうか。