酪農学園大学の学生がパン屋や農家とコラボし、地元・江別産の野菜を使ったパンを開発

研究・産学連携 大学プレスセンター
酪農学園大学の学生がパン屋や農家とコラボし、地元・江別産の野菜を使ったパンを開発

(左から)三上知紘さん、大井咲来さん、千葉和佳さん=写真

酪農学園大学(北海道江別市)食と健康学類管理栄養士コース・給食栄養管理研究室(小林道講師)では、パンを製造・販売している株式会社どんぐりと産学連携の取り組みを行っている。7年目を迎えた今年は江別市の協力を得て、農業生産法人アンビシャスファームから野菜の提供を受けてパンを製造。「江別の大学生」「江別の農家」「江別のパン工房」の三者が初めてコラボすることになった。学生らの考案したパンは月に2~3種類が商品化され、7月から10月にかけてどんぐり大麻店で販売している。

パン商品の開発には、小林道講師の研究室で管理栄養士を目指して学んでいる学生11人が参加。酪農学園大学OBの柏村章夫氏が社長を務める江別市豊幌のアンビシャスファームが野菜を提供し、(株)どんぐりが製造・販売を行う。

昨年、給食栄養管理研究室が江別市と共同で調査した結果、同市民は国の目標とする1日あたりの野菜摂取量350グラムに対し、平均約90グラム不足していることがわかった。そのため今年は、野菜摂取量を増やすことを目的として商品を開発した。
また、1月31日には同市の三好昇市長に「江別市民の食と健康に関する実態調査」の結果報告を行っている(参考:https://www.rakuno.ac.jp/article-61709.html )。

7月23日には、食と健康学類3年生の三上知紘さん、大井咲来さん、千葉和佳さんの3名が店頭に立ち、自身が考案したパンを紹介した。

どんぐり大麻店では今後も10月にかけて、学生らの考案したパンを販売していく。

酪農学園大学の学生がパン屋や農家とコラボし、地元・江別産の野菜を使ったパンを開発

どんぐり大麻店

「野菜たっぷりシチューパン」を考案

・三上知紘さん(食と健康学類 管理栄養士コース3年 給食栄養管理研究室)

アンビシャスファームさんの野菜で、江別を代表する野菜でもあるブロッコリーを使って”片手で手軽に野菜を食べられたら”と、まずはサイズをイメージしました。次に、パン屋さんに来てくれる人たちを想像して、シチューなら子どもから大人まで食べられると思い、ターゲットを絞りました。

このパンのポイントは”野菜たっぷり感”なので、食感が残る大きさにし、野菜を食べたなと思えるようにしました。野菜を切るサイズや具を入れる量、シチューを上に乗せるか中に入れるかなど、試行錯誤を重ね、全て自分で行いました。

このパンを食べることで、地元・江別の野菜をもっと食べようと思ってくれたらうれしいです。

酪農学園大学の学生がパン屋や農家とコラボし、地元・江別産の野菜を使ったパンを開発

野菜たっぷりシチューパン

「ほうれん草とジャーマンポテトのパン」を考案

・大井咲来さん(食と健康学類 管理栄養士コース3年 給食栄養管理研究室)

「野菜を摂ることを目的にするパン」がテーマだったので、まず夏野菜を調べました。色々と考案した中で、ほうれん草とじゃがいもの組み合わせが貧血予防に良いと分かり、「ほうれん草とジャーマンポテトのパン」が採用となりました。

自分が考えたパンが商品化されるというのは、なかなか味わえない貴重な経験です。目の前でお客様が自分のパンを手に取った時の喜びは格別でした。私は自分が考えたものを形にすることやアイデアを出すことが好きで、今回は販促ポスターも自分で考えました。また機会があれば、この経験を生かして商品開発に挑戦したいです。

酪農学園大学の学生がパン屋や農家とコラボし、地元・江別産の野菜を使ったパンを開発

ほうれん草とジャーマンポテトのパン

「ロイヤルミルクティーのお米パン」を考案

・千葉和佳さん(食と健康学類 管理栄養士コース3年 給食栄養管理研究室)

今回の商品化の中で、私は甘いパンを担当することになりました。適度に甘さをおさえられるものがいいと思い、自分が好きなミルクティーを選びました。また、大麻店ではカフェスペースが併設されているので、購入後に立ち寄ってコーヒーに合わせて食べてもらえるような甘さのパンを作りたいと思いました。

大麻店には、高齢者や子ども連れの方が多くいらっしゃると聞いていたので、幅広い年代に食べてほしいと考えました。試食したお客様から「モチモチしていておいしい」「小さい子でも食べやすい」と言っていただき、イメージしていたターゲット層にハマったと思い嬉しかったです。レシピ開発にも興味があるので、今回の経験を生かして挑戦してみたいです。

酪農学園大学の学生がパン屋や農家とコラボし、地元・江別産の野菜を使ったパンを開発

ロイヤルミルクティーのお米パン

どんぐり大麻店 斉藤浩司店長より

昨年まではコラボ商品の販売期間が1カ月でしたので、今回は期間を長くして、みんなのアイデアを商品化したいと思っていました。コラボが実現した江別市は健康な町づくりを目指しているため、市役所から野菜摂取量を増やしたいという提案があり、アンビシャスファームの野菜を使って、管理栄養士を目指す学生たちの若いアイデアを発揮してもらいました。

試作段階では味へのこだわりを感じ、野菜の栄養価など体のことまで考えられているのも良いなと思いました。学生さんたちにとって、自分で考えたアイデアが生かされ、試食の際に直接お客様から意見・感想を聞くことができたのは良い体験だったと思います。

販売された結果も受け入れて、今後に生かしていってほしいです。この企画を通して成長につながってほしいと思います。

酪農学園大学の学生がパン屋や農家とコラボし、地元・江別産の野菜を使ったパンを開発

学生による店頭販売の様子

■アンビシャスファーム
野菜直売「ふたりのマルシェ」
http://futarino-marche.jp/

■どんぐり大麻店
https://www.donguri-bake.co.jp/shop/oasa/

■酪農学園大学HP
https://www.rakuno.ac.jp/article-64175.html