社会人が金沢工業大学の教員や学生と学び合う「KITリカレント教育プログラム」がスタート

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社会人が金沢工業大学の教員や学生と学び合う「KITリカレント教育プログラム」がスタート

ICT/IoTを活用した美味しい「いちご」栽培に関する実証研究=写真

金沢工業大学(学長 大澤敏)ではこのたび、社会人が金沢工業大学の教員や学生と学び合う「KITリカレント教育プログラム」を開始する。これは令和元年度より進めている、Society5.0をリードする人材育成に向けた教育改革の一環として実施する取り組み。

「KITリカレント教育プログラム」で社会人は、Society5.0をリードする上で必要となるAI、IoTなどを学ぶ講座や、組織力向上を目指した講座を通して最新の知識や技術を修得する。さらに、授業の中で創出された社内課題に関する新たな解決策や新製品に向けたアイデアは、金沢工業大学と共同研究を通じて、技術開発や実証研究へと進める。

「KITリカレント教育プログラム」は、企業にとってはSociety5.0に向けた人材育成と、新たな製品や事業の創出の機会となる一方、学生においても実社会のリアルな課題に対するアイデアの創出から具体化、検証、社会実装までのプロセスを実践していける絶好の機会となる。

※金沢工業大学では当プログラムの募集説明会を7月5日(金)15時から16時まで、金沢工業大学扇が丘キャンパス23号館3階333教室で開催します。

当プログラムの意義と概要

Society5.0をリードする上で欠かせないAI、IoTなど最新技術は、取り入れたいと思いつつも社員の学び直しの機会があまりないという切実な声が企業から聞かれる。金沢工業大学ではイノベーション創出を可能にする「世代・分野・文化を超えた共創教育」を平成28年から推進し、アイデアを創出、具体化し、実験・検証・評価、社会実装までを目指す社会実装型プロジェクト教育を特徴としている。

さらに令和元年度からは、Society5.0をリードする人材育成に向けて、AIなどを問題発見・解決に活用する全学的な「情報技術教育」と「工学×心理」「工学×リハビリ」など複数の分野を学ぶ「メジャー・マイナー制度」、そして企業での社会経験を有する人材が学生の教育研究の指導にあたる「実務家教員」という3本の柱から構成される教育改革を進めている。

「KITリカレント教育プログラム」では各講座で社会人が学生とともに学ぶことで、そこで得た新たな知識や技術を社内の課題解決や自社技術の向上に活かすことができる。例えば金沢工業大学のカリキュラムの柱となっている理工系PBL型授業「プロジェクトデザイン」では、社会人が自社の課題をテーマに学生と一緒に取り組むことで、それまでに発想されなかった新しいアイデアを生み出すことが可能となる。

また、そのアイデアをもとにした技術開発や実証型研究では、授業で一緒だった学生がインターンシップとして企業に赴いて共に研究に参画し、あるいは金沢工業大学の高度な研究環境の中で共同研究に取り組むなど、金沢工業大学の教員や学生と連携した研究活動へと発展することが期待される。

社会人が金沢工業大学の教員や学生と学び合う「KITリカレント教育プログラム」がスタート

社会人と学生の世代を超えた共創教育の例

KITリカレント教育プログラムより講座例

■情報技術教育プログラム(募集期間7/1~7/24、講義期間8/20~9/20)

AIやIoT、ICTの分野を基礎から応用まで学習できる3コース。学生と共に授業を受け、討論や演習を通して専門技術とその活用方法について学ぶ。

• AI基礎
• データサイエンス基礎
• IoTプログラミング入門
• ネットワークセキュリティ
など全13科目(3コース)
*概要は添付の資料をご覧ください。

■社会人共学者(募集期間7/23~8/28、講義期間9/25~1/28)

授業に参画し、出されるテーマにおいて社会人の先輩として企業や実社会の現状について情報提供やアドバイスをしながら、学生との共創型学習を実践。

• 技術者のための統計
• プロジェクトデザインI
• ビジネスコミュニケーションI
• 12学科/2専攻の専門科目
など全69科目

■「ポジティブ心理学と組織活性化」(募集期間7/23~8/28、講義期間9/10,11)

ポジティブ心理学について知り、職場環境の活性化に向けて、これからの時代に求められる新たなリーダーシップの効果的な発揮の仕方や従業員のワークエンゲージメントの向上について、基本的な手法について演習を通して体感する。

その他の教育プログラムについては以下のwebページをご覧ください。
KITリカレント教育プログラム ウェブサイト (7月1日公開予定)
https://www.kanazawa-it.ac.jp/rec/index.html

参考 これまでの事例紹介

ICT/IoTを活用した美味しい「いちご」栽培に関する実証研究

北菱電興株式会社と農事組合法人んなーがら上野営農組合が共同運営するいちご圃場では、大学の教育プログラムで得た知識を付加しつつ、ロボティクス学科の研究室との共同研究で開発を進める温湿度センサをハウス内に設置し、均質で美味しいいちごを栽培する実証実験を行う等、複数の共同研究を進めている。本件は、産学連携による共創教育及び共同研究による実証実験を経て社会実装が進んでおり、地方創生のビジネスモデルを目指したもの。

IoTによる自動車部品の次世代型シュレッダー装置の開発

会宝産業株式会社及び株式会社リバーヘッドシステムズを主体とした産学連携で、自動車リサイクル事業を加速させるためにIoTを活用し、次世代シュレッダーの開発を進めている。教育プログラムの受講を通じて共同研究に発展し、連携企業を増やしながら助成金の採択を受けた事例である。開発した製品は複数の機関で社会実装に至っている。
(「平成29年度補正 ものづくり・商業・サービス経営力向上支援補助金」助成)

地産エネルギーを活用したエネルギーマネジメント技術の開発

株式会社成宏電機を中心とした産学連携で、IT技術を用いて電力を制御する小エリア直流電力網を構築している。ここでは需要家間を直流母線で接続し、再生可能エネルギーによる地産地消を目指した社会実装実証実験を進めている。

企業と大学の共創的シーズを発端に実証研究が開始され、バイオマス発電、太陽光発電、電気自動車等との連携に発展した。また「情報技術教育プログラム」を活用し、今後はAI及びIoTを活用してシステムの拡充を行っていく。

社会人が金沢工業大学の教員や学生と学び合う「KITリカレント教育プログラム」がスタート

例 教育の取り組みを発端とした産学連携

【KITリカレント教育プログラム説明会】
日時:令和元年7月5日(金)15時~16時(受付開始:14時30分)
場所:金沢工業大学 扇が丘キャンパス23号館333教室(石川県野々市市扇が丘7-1)
内容:
15:00~15:20 学生・教員と共に学びあうKITリカレント教育(大澤学長より)
15:20~15:45 リカレント教育プログラムの内容と募集説明(担当者より)
15:45~16:00 個別相談
申込受付:https://www.kanazawa-it.ac.jp/rec/entry/(7月3日まで)
問合せ先:大学事務局 共創教育推進室
電話 076-294-6743 メール kyousou-jimu@mlist.kanazawa-it.ac.jp

KIT情報技術教育について
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