世界の研究者・知識人と新たな知を拓き、伝える。
東京カレッジを開設―東京大学
2019年2月1日、国立大学法人東京大学 東京カレッジ(英文名称:Tokyo College、カレッジ長:羽田正)が設置された。名誉カレッジ長としてサー・アンソニー・レゲット教授(2003年ノーベル物理学賞、イリノイ大学教授)を迎える。
東京カレッジは、卓越した教育研究を展開する国内外の研究者や知識人が、分野を超えて切磋琢磨する場を作り、その成果を広く国内外へ発信することを通じて、「地球と人類社会の未来に貢献する『知の協創の世界拠点』の形成」の実現に寄与することを目的としている。さらに、これらの活動を通じて、東京大学、さらには日本の国際求心力を高めることに貢献することを目指す。
東京カレッジには同大の卓越教授(注1)が所属(兼任)する。また、海外の有力な研究者および知識人を受け入れ、同大の部局教員との共同研究を推進し、定期的な研究会の開催などを通じて、充実した研究成果の発信を行う。また、所属研究者等による一般講演会の開催等を通じて、学問の魅力や未来社会の創造に果たす大学の役割の重要さを広く社会に伝える。
東京カレッジでは、以下のテーマに基づいて理系・文系を超えた分野融合の研究を進め、その成果を発信していく。
カレッジ全体として中長期的に追求する主たるテーマ
「2050年の地球と人類社会」(The Earth and Human Society in 2050)
- <このテーマのもとで当面取り組む重点テーマ>
- 1.デジタル革命と人類の未来 (Digital Revolution and Future of Humanity)
2.学際的アプローチによる地球の限界への挑戦 (Tackling the Planetary Boundaries through Interdisciplinary Approaches)
3.内から見た日本、外から見た日本 (Japan Viewed from Inside and Outside)
4.2050年の人文学~世界哲学、世界史、世界文学~ (Humanities in 2050 – World Philosophy, World History and World Literature -)
また、「発見の喜び、知識の力(Joy of Discovery, Power of Knowledge )」という枠組みも設け、上記の4テーマに限らず卓越した研究者を招請する。
東京カレッジは、学術の卓越性の向上および研究環境の国際化を推進する全学組織である東京大学国際高等研究所の下に置かれる。また、総長を本部長とする未来社会協創推進本部(Future Society Initiative: FSI、注2)とも緊密な連携を行う。
■東京カレッジウェブサイト
注1:卓越教授
・梶田 隆章 教授(宇宙線研究所所長、東京大学特別栄誉教授)
・十倉 好紀 教授(工学系研究科教授)
本学教授のうち、専門分野において特に優れた業績を挙げ先導的な役割を果たしている者で、
(1)ノーベル賞の受賞者または文化勲章の受章者
(2)ノーベル賞・文化勲章に準ずる賞の受賞者又は同等の業績を有する者として部局長が推薦した者で、教育研究評議会の審議を経て役員会が決定した者に授与する称号。
注2:未来社会協創推進本部(Future Society Initiative:FSI)
2017年7月に総長を本部長として設置され、東京大学憲章に示した「世界の公共性に奉仕する大学」としての使命を踏まえ、SDGsを活用して地球と人類社会の未来への貢献に向けた協創を効果的に推進することを目的とする。
https://www.u-tokyo.ac.jp/adm/fsi/ja/index.html
※東京カレッジの開設にあたっての、羽田 正カレッジ長、Sir Anthony Leggett名誉カレッジ長(2003年ノーベル物理学賞)、五神 真東京大学総長コメントはプレスリリース全文からご覧いただけます。
東京カレッジ開設プレスリリース全文