武庫川女子大学経営学部の学生が明かす「Z世代女子」のリアルとは?
写真=報告会後、参加した企業関係者と懇談する学生たち
武庫川女子大学経営学部の学生たちが2022年5月から10か月にわたり行ってきた「Z世代女子リサーチ」の結果がまとまり、3月10日に報告会「関西女子大生のリアル。」を行った。コスメや美容、食、お金など、6つのテーマで調査した結果について「Z世代」のリアルを学生たちが発表した。
Z世代とは1995年から2010年に生まれた10代から20代なかばの若者世代を指し、大学生はまさにこの世代に当たる。これから生産や消費の中心となる世代の赤裸々な本音が聞けるとあって、報告会には多くの企業や団体、研究者が参加した。
経営学部の高橋ゼミ(高橋千枝子教授)の3年生20人が各テーマごとに大学生や大学院生数十人~100人にアンケートやインタビューを実施。InstagramやFacebook、TikTokで毎月、テーマ別に発信しながら、同世代だからわかる意識や行動の傾向をまとめた。
テーマは「Z世代とは」「SNSの利用とデジタルデトックス」「流行りと遊び」「コスメ・美容」「食とカフェ」「お金の意識」の6種類。まず、Z世代について「男女の意識がニュートラル」「個人を大切にする」「体験を重視し、場の雰囲気を重要視する」「エモさを感じることがブームの引き金になる」「SNSは自己表現の場」と、特徴を整理した。
テーマ「SNSの利用とデジタルデトックス」では、関西圏に住む18歳から22歳の女性157人にWebで調査。Z世代は一日3時間以上、SNSを利用する人が多く、4人に1人は6時間以上利用、一方で7割のZ世代がSNS疲れを感じていることがわかった。このため自然と触れ合い、SNSから離れてまったり過ごす時間が好まれる傾向があり、「チル」が注目されるようになったと分析した。
「流行りと遊び」では、Z世代が最も参考にする情報源は主に「Instagram」であるとし、個人を尊重し、オタクを隠さないので「推し活」がはやる、レトロや「エモい」に関心が高く、「映え」を重視することを報告した。また、「コスメ・美容」では、コスメに環境への配慮など付加価値を求める傾向や、メスを使わないプチ整形はメイクの延長線上と考え、抵抗感が薄いことが報告された。
お金に関してはモノの豊かさよりも「今しかできない」体験に価値を見出す傾向を指摘した。調査対象者の9割がサブスク(定額サービス)を利用して主に動画や音楽を楽しんでおり、コロナ禍での「おうち時間」を充実させるためにサブスク利用が進んだとみている。
高橋千枝子教授は「いずれ消費の担い手となるZ世代を深く知ることは、とても重要と考えています。ゼミ生と参加者との交流会を通じて、Z世代の声を伝えることができたと思います」と話している。
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