金沢大学が令和3年度「共創型企業・人材展開プログラム」研究発表会(修了式)を開催 — 首都圏などからの中核人材の確保・定着に大きな成果
金沢大学(石川県金沢市)は3月17日、令和3年度「共創型企業・人材展開プログラム」の研究発表会(修了式)を開催した。これは、首都圏等の企業の第一線で活躍している優秀な人材を石川県内の企業とマッチングし、企業の課題解決に取り組みながら地域産業の発展をサポートする事業。今年度は6名のマッチングが成立し、5名が事業終了まで課題解決と研究に取り組んだ。
「共創型企業・人材展開プログラム」とは、首都圏等の企業の第一線で活躍している優秀な人材を、石川県内でさらなる発展を目指す企業とマッチングし、企業の課題解決に取り組みながら地域産業の発展をサポートする事業。マッチングされた人材は6カ月にわたり企業の課題解決に従事しつつ、リカレント教育を受けて能力の向上を図る。その一方で金沢大学の客員研究員として、専門教員の指導を受けながら、地域企業・地域産業の課題解決とその共創的な発展に関する研究に携わる。
昨年度に引き続き、今年度もアイコック(協同組合全国企業振興センター)、北國フィナンシャルホールディングスと同大の三者でコンソーシアムを組成。石川県、金沢市、石川県産業創出支援機構、金沢商工会議所等の支援を得ることで、地域の産学官金の連携による「地域立脚の自主事業」として企画・実施した。
コロナ禍という逆風の中ではあったが、受け入れ候補企業として9社が参画。研究員候補者には72名の応募があり、6社6名のマッチングが成立した。
マッチングの成立した6名に対して、同大が実践型リカレント教育の場と客員研究員としての立場を提供。令和3年10月から半年間、企業の課題解決に取り組んだ。
3月17日には令和3年度の研究発表会(修了式)を開催。当日は、山崎光悦学長のあいさつにはじまり、人間社会研究域経済学経営学系の佐無田光教授からの事業報告に続いて、事業終了まで完走を果たした5名の客員研究員が、受け入れ企業での課題解決事例などについて発表を行った。
その後、受け入れ企業からの講評および和田隆志理事(研究・社会共創担当)からの修了証書授与と講評があり、客員研究員らは受け入れ企業での課題解決の実践と研究との両立の日々に思いをはせていた。
なお、客員研究員のうち3名がプログラム修了後も受け入れ企業と関係を継続する予定で、他の2名についても石川県内での活動を継続すべく模索している。首都圏等からの中核人材の確保・定着という点において、今年度も大きな成果を得ることができたといえる。
●共創型企業・人材展開プログラム
http://ikoc.net/kyoso_kanazawa/