研究力が高い大学ランキング2020(近畿編)
写真=大阪大学
多くの受験生が迷うのが志望校選び。そこで頼りになるのがエキスパートの意見だ。全国の進学校2000校に、進路指導教諭おすすめの大学についてアンケートを行った。各項目5校連記で大学を記入してもらい、最初の大学を5ポイント、次の大学を4ポイント…として集計しランキングを作成した。今回は「研究力が高い大学(近畿編)」だ。
1位は京都大学で1023ポイント。2位に大阪大学が285ポイントで続く。11学部23学科、16研究科46専攻の大学院を有する大阪大学は、国立大学最多の学部・学生数を誇り、教育・研究力の原動力となる多様性を自ら生み出している。国立総合大学では唯一外国語学部を設置し、世界25の言語を学べる特色を生かした高度で多様な外国語教育を、学部生だけでなく大学院生にも展開している。また、「産学共創」の精神を提唱する同大では、共同研究等の課題設定・テーマ設定の段階から企業と大学がともに検討し取り組む点に特徴がある。こうして「産官学」の連携がさらに強化され、研究型総合大学としての幅広い学問領域を生かした、特色ある教育と最先端の研究活動が進められている。
3位は近畿大学で53ポイント。建学の精神「実学教育」に基づき、あらゆる分野の専門家が集まっている強みを生かし、現代社会が抱える諸問題への解決策となりうる最先端の研究が進められている。その研究成果は多方面で実用化され、32年の研究を経て世界で初めてクロマグロの完全養殖に成功した「近大マグロ」をはじめ、2万8千万年前のマンモスの細胞核の動きを確認するなど、世界レベルの研究に力を注いでいる。2020年5月からは「“オール近大”新型コロナウイルス感染症対策支援プロジェクト」を始動。全学横断的に新型コロナウイルス感染症対策に取り組むほか、全教職員を対象に募集した企画提案の中から72件の採択を決定し、研究・教育機関としての社会貢献を目指す。
4位は関西大学で18ポイント。1886(明治19)年に創立された、わが国屈指の私立総合大学だ。創立150周年となる2036年に向けたグランドデザイン「Kandai Vision 150」を策定し、あらゆる領域でボーダーレス化が加速する多様性の時代を生き抜き、先導することができる「考動力」と「革新力」を備えた人材を育成するための大学改革を推進している。関西大学では、これまで科学技術に関する研究開発、理解増進などにおいて顕著な成果を収めた人を対象に贈られる「科学技術分野の文部科学大臣表彰」を多数受賞。2020年度は新たに科学技術賞(研究部門および理解増進部門)を受賞した。2020年度の科学技術賞受賞者221人のうち、私立大学関係者は18人であることからも、関西大学の研究水準の高さが示されている。
<表の見方>
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全国の約2000進学校を対象にアンケートを行い、910校から回答を得た。各項目ごとに5校を選んで順位をつけてもらい、1番目の大学を5ポイント、2番目を4ポイント……として集計した。
大学名の◎は私立、※は国立、無印は公立を表す。