研究力が高い大学ランキング2020(東京編)

研究力が高い大学ランキング2020(東京編)

写真=東京理科大学

多くの受験生が迷うのが志望校選び。そこで頼りになるのがエキスパートの意見だ。全国の進学校2000校に、進路指導教諭おすすめの大学についてアンケートを行った。各項目5校連記で大学を記入してもらい、最初の大学を5ポイント、次の大学を4ポイント…として集計しランキングを作成した。今回は「研究力が高い大学(東京編)」だ。

1位は東京大学で1053ポイント。2位は東京工業大学で246ポイント。東京工業大学は、創立から約140年の歴史を有し、世界レベルの卓越した研究で知られる理工系総合大学だ。充実した教養科目を整備するなど、学生本位の「学育」でも知られ、2018年には指定国立大学法人にも指定された。基礎研究のみならず、社会の求める研究に注力するのも大学の役目と考える同大では、「社会課題即応研究機構」の発足を準備中。その先行事例として、2020年6月に「脱コロナ禍研究プロジェクト」をスタートさせた。世界最先端の研究も枚挙にいとまがなく、2019年には同大科学技術創成研究院の研究グループが、世界で初めて「ナノ物質の周期表」の作成に成功した。このような世界トップレベルの研究者から学べることは、同大の魅力の一つでもある。

3位は東京理科大学で102ポイント。創立当時から「実力主義」を貫く同大では、真に実力をつけた学生のみ卒業させるために、現在も指定科目の単位取得を進級の条件とする「関門制度」を設けている。それでも、予習復習をして授業に臨む習慣を身につければ、過度な心配は不要だ。また、「実験が多い」ことも特徴の一つ。講義で得た知識を実際の実験に活用する経験により学びを深め、実践的なスキルを身につけることができる。実験が講義の理解を深める「講義と実験の効果的な連動」は、研究室配属後に求められるスキルを確かなものとする。同大の研究室は約380あり、理工系総合大学ならではの幅広い研究が行われている。毎年多くの学生が大学院に進学し、最先端の科学技術の現場で活躍するための高度な専門性と、多様な視点からの発想力を養っている。

4位は早稲田大学で82ポイント、5位は慶應義塾大学で63ポイント、6位は東京都立大学で20ポイント、7位は電気通信大学で13ポイント、8位には東京電機大学と芝浦工業大学が12ポイントで並んだ。今回は芝浦工業大学を取り上げる。同大には270の研究室があり、学生一人ひとりが本当にチャレンジしたい研究に打ち込める環境を大切にしている。また、「社会に学び、社会に貢献する」ことを教育の柱に掲げる同大では、社会とのつながりを意識し、実用化へのプロセスを見据えて研究する「実学教育」を実践。企業との共同研究も盛んだ。学部卒業後に多くの学生が進む大学院では、学部で得た知識をもとに、自ら考え行動できるための能動教育を実践し、新しい技術を生み出すための創造性を養う。また、企業や機関との共同研究のほか、海外協定校への研究留学プログラム、留学生の受け入れ、英語による講義などで高レベルな教育を展開。国内外を問わず、理工分野で活躍する人材を育成する。

<表の見方>

全国の約2000進学校を対象にアンケートを行い、910校から回答を得た。各項目ごとに5校を選んで順位をつけてもらい、1番目の大学を5ポイント、2番目を4ポイント……として集計した。
大学名の◎は私立、※は国立、無印は公立を表す。


研究力が高い大学ランキング2020(東京編)