清泉女子大学の本館および3号館が「旧島津家本邸」として重要文化財に指定

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清泉女子大学の本館および3号館が「旧島津家本邸」として重要文化財に指定

写真=本館

― 英国人建築家コンドルが設計した旧大名家の本格的な洋風邸宅 ―

清泉女子大学(東京都品川区)の本館および3号館は、2019年10月18日に文化審議会から文部科学大臣に答申されたことを受け、同年12月27日付で「旧島津家本邸 本館及び事務所」として国の重要文化財に指定された。旧島津家本邸は、島津家第30代当主・忠重の邸宅として、英国人建築家ジョサイア・コンドル(Josiah Conder)の設計および施工監理により大正6年(1917)に完成したもの。昭和37年(1962)から同大が本館として使用しており、現在も聖堂や教室、会議室等として利用されている。

旧島津家本邸は2012年3月に「旧島津公爵家袖ヶ崎本邸洋館」として東京都指定有形文化財(建造物)に指定。その際には、旧事務棟(現3号館)は、設計施工が同時期と推察され、コンドルの邸宅以外の建物として貴重であることから附(つけたり)とされていたが、今回の指定では、2棟そろって国の重要文化財となっている。

このたび適用された指定基準は、「(一)意匠的に優秀なもの」および「(三)歴史的価値の高いもの」。
「日本近代建築の発展の礎を築いたジョサイア・コンドルによる設計で、彼が手がけた数多くの邸宅建築のうち最晩年のものの一つである。本館は煉瓦造で規模も大きく、内外ともに装飾を端正に整えつつ彼が得意としたベランダや大階段など、要所を華麗に装飾した本格的な洋館として価値が高い。本館は洋式の生活に特化したつくりで、家政を司る事務所も残るなど、近代の華族邸宅の在り様を知る上でも重要である」と評価された。

■指定名称
 旧島津家本邸 本館・事務所
 附(つけたり)・塀(本館附)
■規模・構造
 本 館:煉瓦造、建築面積876.21平方メートル、二階建、一部地下一階、スレート及び銅板葺
 附・塀:石造、延長26.2メートル
 事務所:煉瓦造、建築面積250.14平方メートル、二階建、スレート葺
■所在地
 東京都品川区東五反田3丁目191番地39
■所有者
 学校法人清泉女子大学


●清泉女子大学公式Webサイト関連ページ

・本学の本館及び3号館が「旧島津家本邸」として重要文化財に指定
 https://www.seisen-u.ac.jp/news/20200107-01.php

・概略と歴史、邸内画像、動画 等
 https://www.seisen-u.ac.jp/shimadzu/index.php


※清泉女子大学では、学生ガイドが案内する見学ツアーを春(4~6月)と秋(10~12月)に開催している。次回、2020年春季の開催日程は、同年1月中旬に大学公式Webサイトで公表し、2月3日(月)~2月28日(金)の期間に申し込みを受け付ける(要予約・抽選制)。
 https://www.seisen-u.ac.jp/shimadzu/tour.php

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