芝浦工業大学が2020年10月、工学部に「先進国際課程」 を開設
~学部教育をすべて英語で提供/1年生から研究室で最先端研究に従事~
芝浦工業大学(東京都港区/学長 村上雅人)は2020年10月、学部教育をすべて英語で提供する「先進国際課程」を工学部に開設。世界の技術革新の進展や国際化の速さ、複数の理工学分野が融合した先端分野の形成など時代の変化に対応できる人材育成を目指して、これまで卒業研究でのみ実施されてきた「研究プロジェクトを通じた能動的学習(Research Based Learning)」を、初年次から4年間を通して行う。入学時から指導教員(Supervisor)、異なる専門分野からなる複数のアドバイザー教員(Adviser)の指導のもと、さまざまな研究室で最先端の研究に取り組む。
- ■ポイント
・開講科目はすべて英語で提供し、学士(工学)の学位を授与
・入学時から指導教員、アドバイザー教員のもとで最先端研究に取り組む「オナーズプログラム」
・異分野の領域も横断的に学修し、世界の技術革新の進展に応じた学際領域にも柔軟に対応
■12ヵ国の教員が研究指導
多国籍の教員が指導にあたる多様な教育・研究環境が、イノベーションを担う人材を育てる
■国際会議発表者 100%
国際会議において、本人の研究成果を在学中に1回以上は発表することを目指す
https://igp.shibaura-it.ac.jp/
・名称 工学部 先進国際課程(Innovative Global Program)
・授与する学位 学士(工学)(Bachelor of Engineering)
・入学定員 9名
・教育目標 「国際化が進む社会においてリーダーシップを発揮し、複雑化する理工学の問題を解決できる人材」の育成
■育成する能力
・俯瞰的視野 理工学の分野において幅広い知識と俯瞰的視野をもって判断できる能力
・ダイバーシティ 国際社会における多様性を理解、尊重し、受容して、協調・協力できる能力
・倫理観 社会に貢献する技術者としての倫理観に基づき判断・実践できる能力
・リーダーシップ 問題解決のためにリーダーとしてチームを率いることのできる能力
・社会貢献 持続型社会の実現のために世界の諸問題を解決できる能力
特色1 先進的なカリキュラム、全ての授業を英語で
これまでの科目を英語化しただけではない先進的なカリキュラムで、新しい理工学教育モデルとなることを目指す
・先端工学研究科目/「研究プロジェクトを通じた能動的学習(Research Based Learning)」を4年間実施
・先端工学概論科目/低学年から幅広い工学分野の先端研究を学び、工学への興味を早い時期に喚起、俯瞰的視野を育成
・専門科目/研究を行いながら必要な科目を学修
・数理基礎・情報科目/研究に必要な数学・物理学・化学的思考能力や情報スキルを身につけます
・教養科目(言語/人文社会/体育健康)/技術者としての倫理観や多様な文化、研究成果を社会に発信するスキルなどを学ぶ
特色2 ”Lab rotation”で4年間、最先端の研究に従事
●1年次
指導教員の研究室で、教員や大学院生の指導を受けながら最先端研究に従事
●2年次
異なる分野の研究室で2ヶ月程度ずつ研究を行うLab rotation形式で、幅広い知識と俯瞰的な視野を身につける
●3年次
卒業研究を行う研究室で、大学院生と主導的に研究を進める
●4年次
大学院生や同級生との論文執筆、国際会議での発表を目指す
背景
学科でそれぞれの専門分野を深く学ぶ従来の手法から、技術革新に対応した分野横断型の専門教育を行いやすくするため、国は2018年に大学設置基準を改正し、新たに工学系の学部に「課程制」が設けられた。
芝浦工業大学は世界の技術革新の進展や国際化の速さ、複数の理工学分野が融合した先端分野の形成など時代の変化に対応できる人材育成を目指して、この「課程」を新たに工学部に開設する。
今後の展開
国内のインターナショナルハイスクールや先進的な国際教育を実施している高校、国外の高校の卒業生をターゲットに、世界中から学生を受け入れる。
大学院への進学を前提とし、修了後は研究機関で分野を牽引できる研究者、製造業など民間企業の研究開発チームのリーダーとなる技術者、もしくは新たな事業を起こし社会をリードする企業家になれる人材を輩出する。