東京理科大学における学部・学科の再編およびキャンパス配置計画 ~未来社会の実現への学術的貢献を目指して~

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東京理科大学における学部・学科の再編およびキャンパス配置計画 ~未来社会の実現への学術的貢献を目指して~

東京理科大学(学長:松本洋一郎)は、学校法人東京理科大学(理事長:本山和夫)の長期ビジョン「TUS VISION 150」に基づき、創立150周年(2031年)に向けて2020年度以降、順次、学部・学科の再編およびキャンパス再配置等を進めていく。今回公表する学部・学科の構成およびキャンパス配置は、2025年度での完成を目指して実施する計画の内容となる。

学部・学科再編の社会的背景

現在、科学技術の急速な進展に加え、経済社会は地球規模でグローバルに変化している。さらに、未来社会は、予測不可能な時代とまで言われており、高等教育機関における教育研究の在り方や人材育成等にも自ずと変化が求められている。

これからの未来社会については、さまざまな予測が示されている。例えば、中央教育審議会答申「2040年に向けた高等教育のグランドデザイン」(2018.11.26)では、「Society5.0」「第4次産業革命」「人生100年時代」「グローバル化」「地方創生」などが2040年頃の社会変化を示すキーワードとしてあげられている。
また、昨年閣議決定された「未来投資戦略2018」(2018.6.15)においても、「Society5.0」「データ駆動型社会」が掲げられるなど、未来社会の実現には、学術知の役割が今以上に高まることが予想されている。

一方で、人類に共通する課題として持続可能な開発目標(SDGs)の達成が世界から高い関心と支持を集めており、我が国が議長を務める2019年のG20における関係閣僚会合でも、世界の持続可能な成長に向けてエネルギー転換と地球環境について議論されるなど、社会の課題解決に共創して取り組む価値観も広く共有されている。

学部・学科再編の理念

東京理科大学は「理学の普及を以て国運発展の基礎とする」を建学の精神とし、「自然・人間・社会とこれらの調和的発展のための科学と技術の創造」を教育研究理念として掲げ、我が国随一の理工系総合大学として、社会の発展に貢献する多くの優れた技術者、研究者及び理数系教育者を輩出し、2021年には創立140周年を迎える。

しかし近年は、グローバル化時代の到来や、データサイエンス・IoT・AI等の発展による技術革新の高度化・複雑化、産業構造の変化等を受け、既存の科学技術分野を深めるだけでなく、それらを横断的に融合し協調しながら新たな課題解決策を見出し、それにより社会や産業の発展に貢献できる人材や、次世代の高度な科学技術イノベーションを創出できる人材が必要となってきている。

このように、大学を取り巻く環境が大きく変化している中で、社会の持続可能な成長に貢献するために東京理科大学が果たすべき教育研究上の役割・使命を考えた時、国際化のための新たな教育拠点を設けるとともに、先進・融合領域で新たな価値を創造し、学際的かつ横断的な教育研究を推進する組織を設けるなど、多様性や機動性を確保した組織となることが必要と考え、学部・学科の再編を計画した。

これからの未来社会の実現においても、これまで以上に世界をリードする創造的研究を推進し、国内外の研究者が集う魅力ある研究拠点を構築することを目指す。創造的研究で得られた成果は、そのまま優れた教材となり、また学生がこうした創造的研究に参加することで、研究者としての素養や研究開発力を備えた技術者としての能力を身につける事を支援する。

学部・学科再編の概要

東京理科大学では、上記の目的を達成するため、同大が重点的に教育研究を推進している分野の学術キーワードを整理し、各学部・学科の専門性に基づき、これまでの取り組みを継続・発展させつつ、未来社会実現に貢献するという視点で、自らを変革すべく、学部・学科の再編およびキャンパス再配置の計画を策定した。

また、近年、学問分野が多様化し、研究も複数の分野にまたがる学際化が進んでおり、本学を目指す方々にとって、多くの学科の中から自身の進むべき道を選択することは容易なことではありません。

このような背景に鑑み、学科名称の変更および新設する学科を中心に、研究分野を基に教育研究対象を体系化した「系」を設置し、各学科の人材育成および教育研究の方向性を明確にすることで、同大を目指す方々の進路選択の指針ともなるようにした。

東京理科大学における学部・学科の再編について

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