関西学院大学が2021年、神戸三田キャンパスに理系4学部を開設(設置構想中)~KSC5学部体制で「境界を越える革新者(Borderless Innovator)」を輩出

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関西学院大学が2021年、神戸三田キャンパスに理系4学部を開設(設置構想中)~KSC5学部体制で「境界を越える革新者(Borderless Innovator)」を輩出

関西学院大学 神戸三田キャンパス=写真

関西学院大学は6月4日(火)に大阪で、5日(水)に東京で村田治学長による記者会見を行い、2021年4月に予定している神戸三田キャンパス(KSC、兵庫県三田市)の再編構想について説明した。
理系4学部(理学部、工学部、生命環境学部、建築学部)を新設するという内容で、KSCは1995年の開設から四半世紀の節目に、現在の2学部(理工学部、総合政策学部)から、総合政策学部と新設4学部を合わせた5学部体制に生まれ変わる。計画は現在、設置構想中であり、2020年4月に文部科学省に設置届出を予定している。

今回の再編は、学校法人関西学院(本部:兵庫県西宮市)が2018年、創立150周年の2039年を見据えた将来構想「Kwansei Grand Challenge 2039」を策定し、その長期戦略の中で「理系の強化・充実」を掲げているのを受けたもの。
計画は、以下の通り。

1.KSCのキャンパスコンセプト

KSCの新たなキャンパスコンセプトは “Be a Borderless Innovator.”

学生、教職員が国境、文系理系、学問分野、大学と社会などさまざまな境界を飛び越える”Borderless Innovator”として活躍するキャンパスをめざす。

2.KSCの歴史

1989年:神戸三田キャンパス(KSC)校地を取得
1995年:総合政策学部開設
 ・「総合政策学部」は国内では4番目。
 ・「ヒューマン・エコロジー(人間生態学)」を核とし、「自然と人間の共生ならびに人間と人間の共生」を掲げて地球規模課題の解決策を立案できる人を育てる。
 ・特長は「国際性」「学際性」。外国人や外国での活動経歴が長い教員がほぼ半数で、分野も社会科学系、人文系、自然科学系、工学系と様々な分野にまたがる「国際的かつ学際的」な教員陣で構成。
2001年:理学部が西宮上ヶ原キャンパスからKSCに移転、翌2002年「理工学部」に改組
 ・本格的な文理融合キャンパスに発展。
2012年:大学院理工学研究科に国際修士プログラムを設置(英語のみで修了できる)
2019年:KSCの再編を決定
2020年:KSC開設25周年
2021年:理学部創立60周年、KSC移転20周年
 ・KSCは5学部体制となって再スタート(設置構想中)

3.”Borderless Innovator”を育てるKSC ――教育・研究の特長

(1)地球規模課題に革新を起こす探究 ―― “Sustainable Energy” の一大研究拠点を形成

KSCにおける重点研究テーマを「持続可能なエネルギー(Sustainable Energy)」とする。

関西学院大学は国連・外交コースを創設するなど国連・国際機関との連携を強化しており、2019年度にはSDGs推進本部も発足した。当該テーマは国連SDGsの17の目標の一つであり、KSCには当該テーマと関わる理学部の次世代有機EL、工学部のパワーエレクトロニクス(エネルギー半導体)、生命環境学部の人工光合成など社会から高い注目を集める研究が集積しており、建築学部もネット・ゼロ・エネルギービルやスマートシティ等、持続可能な建築と都市の実現に取り組む。

総合政策学部も開設時からSustainability(持続可能性)は最重要テーマであり、文理の研究力を結集して一大拠点の形成をめざす。

(2)国境を越えた学び ――海外学修を含む国際プログラムを大幅に拡充

学部の専門分野に即した海外学修科目(PBL=Project-based Learning、フィールドワーク、実習、インターンシップ等)を大幅に拡充し、学生たちが世界各地で社会的課題に各国の学生らとともに取り組む国際プログラムを充実させる。

1995年の開設時から充実した英語教育や国連等との連携を基盤に国際化で高い評価を得ている総合政策学部はもとより、理系も生命環境学部や建築学部を中心に積極的に海外学修のプログラムを提供する。

(3)文系理系や学問分野の境界を越えた学び ――分野横断型の教育システムを確立

工学部の課程同士や、建築学部と総合政策学部間で双方の分野を学べるメジャー・マイナー制度を導入する。

また、5学部それぞれの専門分野の基礎的な科目からなる分野科目群(合計12科目群)を設け、KSC5学部の学生に他学部の科目群を履修することを強く推奨することで、文系・理系を横断し、学問分野を越えて複眼的な視点を持つ人材を育てる。

(4)大学の枠を越えて実社会で起業する学び ――アントレプレナー育成プログラムの創設

理学部が母体となってアントレプレナー育成科目を創設し、総合政策学部が提供する経営学、知財、会計、マーケティング等の科目で構成される科目群や日本IBMと共同開発した「AI活用人材育成プログラム」(10科目)とを組み合わせることで、学生の起業を後押しする。

また、関西学院大学同窓のベンチャー企業創業者らに支援を受け、インキュベーション(孵化)機能を整備して共同で起業家を輩出する。

4.各学部の特長

(1) 理学部
関西学院大学の理系学部は1961年の理学部開設からスタートした。原点の学部名に戻る理学部は、半世紀以上の伝統と実績を誇る化学科、基礎数学から応用数理までの多様性・学際性が特長の数理科学科(2009年開設)に加えて、物理・宇宙学科を設置する。

宇宙物理学の主要3分野(電波天文学、赤外線天文学、X線天文学)を揃える国内では稀有な体制の下で、最先端の研究者が宇宙の謎に迫る。
(2)工学部
工学部は、政府の工学系教育改革の方針を受け、分野を横断するカリキュラムを構築するべく課程制を導入する。

物質の性質の解明から実用化までを行う物質工学課程と電気電子応用工学課程、ICT、AI、ロボティクスの最先端技術を創出する情報工学課程と知能・機械工学課程はそれぞれメジャー・マイナー制度を採用し、二つの分野を行き来しながら学ぶことで複眼的な視点を育てる。
(3)生命環境学部
生命環境学部は、環境・食糧・健康など現代社会の課題解決に挑む力を身につけるべく、植物・昆虫・微生物等の機能分析から取り組む生物科学科、生命科学から医学応用まで学ぶ生命医科学科、化学からのアプローチで環境にやさしい社会の構築をめざす環境応用化学科で構成される。

理系学部の国際化を牽引するべく、海外学修科目を開設して世界を舞台にしたPBL、フィールドワーク、実習等をカリキュラムに組み込む。
(4)建築学部
建築学部は、国際社会や地域で活躍できる建築家、都市計画技術者、まちづくりリーダーを育てるため、デザイン、マネジメント、工学、人文社会学など幅広い観点から建築、都市を学ぶカリキュラムを提供する。

総合政策学部とメジャー・マイナー制度を導入し、理系・文系両方の視点からの学びを実現する。また、国内外でのハンズオンラーニングプログラムの構築に取り組む。
(5)総合政策学部
総合政策学部は「国際性」の伝統を進化させ、既存4学科(総合政策学科、メディア情報学科、都市政策学科、国際政策学科)すべてにおいて海外でのPBLやフィールドワークのプログラムを増強するとともに、国際協力をテーマにしたグローバルキャリアプログラム(GCaP)や全学開講の国連ユースボランティア、国際社会貢献活動などへの参加を促進して国際化を飛躍的に進める。

5.各学部の概要資料

各学部の概要については、下記リンクよりPDFファイルをご参照ください。なお、当該資料はあくまで現段階での参考資料です。
https://univ-online.com/wp-content/uploads/application/pdf/4859.pdf

※上述の内容は2019年6月4日現在の計画であり、今後変更する可能性があります。

関西学院大学が2021年、神戸三田キャンパスに理系4学部を開設(設置構想中)~KSC5学部体制で「境界を越える革新者(Borderless Innovator)」を輩出

KSC再編を説明する村田治学長