武蔵大学新2号館が2025年9月供用開始–隈研吾建築都市設計事務所と上野精養軒が創る新たな空間

大学改革 松本 陽一
武蔵大学新2号館が2025年9月供用開始–隈研吾建築都市設計事務所と上野精養軒が創る新たな空間

武蔵大学(東京都練馬区)の新2号館が2025年7月に竣工し、9月より供用開始となる。これに伴う、同施設および学食のコンセプトが3月27日に上野精養軒(東京都台東区)を会場に発表された。新2号館は、1980年に竣工した旧2号館のリニューアル計画の一環として建設された。設計を手がけたのは隈研吾建築都市設計事務所であり、代表の隈研吾氏は旧2号館を設計した内田祥哉氏の教え子にあたる。新2号館は「リベラルアーツを醸成する知と空間、食のコラボレーション」をテーマに掲げ、同大が掲げる建学の三理想である「東西文化融合」「世界雄飛」「自調自考」を体現する「知の融合」の場となることを目指している。

新2号館の設計においては、SDGs(持続可能な開発目標)への配慮を重視し、森林資源の循環利用を推進するため木材を積極的に使用。また、バリアフリー化を徹底し、多様な人々が利用しやすい建築設計が施されている。1階と2階には学生食堂やカフェテラスが配置され、3階には事務室、4階と5階には講義室が設けられる。3階以上にはピクチャーウィンドウを採用し、開放感のある学習環境を提供する。


新たに生まれ変わる学生食堂「Musashi Dining」の運営を担うのは、現存する日本最古の西洋料理店である上野精養軒である。同店は1872年に創業し、ハヤシライス発祥の店ともいわれる名店だ。上野エリアを中心に6店舗を展開し、昨年はファミリーマートとのコラボレーションで全国におにぎりを販売するなど、新たな挑戦を続けている。


今回、武蔵大学の学食運営に参画するにあたり、全メニューをオリジナルで構想し、食器には復興支援の意味を込めてNIKKO製を採用。また、スプーンやフォークには小林工業のLUCKY WOOD製を使用する。食を通して日本のモノづくりの素晴らしさを実感してもらいたいという思いが込められている。さらに、19代総料理長が調理器具の選定や厨房設計にも関与し、質の高い食の提供を目指している。


学食では、「“食”のリベラルアーツ&サイエンス」をテーマに掲げ、食文化を五感で感じる場を提供するだけでなく、科学的データを活用し、食に関する新たな視点を提供する試みも行われる。また、学生がメニュー開発に参加することで、より創造的で魅力的な学食づくりを実現する。

武蔵大学新2号館が2025年9月供用開始--隈研吾建築都市設計事務所と上野精養軒が創る新たな空間

学食サンプル


武蔵大学の新2号館の竣工により、学生たちは食を通じて知識を深め、文化を体感し、新たな発見を重ねながら、学びの可能性を広げていくことだろう。

武蔵大学新2号館が2025年9月供用開始--隈研吾建築都市設計事務所と上野精養軒が創る新たな空間

3月27日のメディア発表会にて。左から横尾 実氏(隈研吾都市設計事務所社長)、高橋 徳行氏(武蔵大学学長)、定方 郷氏(上野精養軒社長)