大阪公立大新設、大規模公立大が誕生
学部新設は医療系、理工系、国際系などが中心
22年度は、公立大3校と私立大2校、私立専門職大1校が新設される。
公立の川崎市立看護大は、川崎市立看護短大が4年制に改組し開学する。山口県の周南公立大は、私立の徳山大が公立法人化するもので、学部学科の変更はなく22年度は私立大型の入試を実施する。
大阪公立大は、入学定員で公立最多の大阪市立大と大阪府立大が統合し、1学域11学部の大規模公立大として誕生する。理系を中心に学部を改編し、両大学に設置されている工学系学部・学域は工学部として1キャンパスに集約される。また、全学の基幹教育を行う新キャンパスを25年に開設予定だ。人気公立大の統合で注目が集まり、難易度も多少の上昇が見込まれる。中でも工学部は、現・大阪市立大が実施していた後期日程が廃止されるため、中期日程で難関国立大との併願者が増えるとみられ、難化しそうだ。
私立大の新設は、大阪信愛学院大、令和健康科学大(福岡)と、アール医療専門職大(茨城)だ。短大や専門学校を前身として看護、リハビリテーションなどの医療関連の学部を持つ大学が多いのは、最近の新設の特徴といえる。
学部・学科の新設は、医療系、理工系、国際系などが目立つ。
医療系では、金城学院大・看護、名古屋女子大・医療科などが新設される。22年度は看護やリハビリテーションの学科を設置する大学が、関連分野の学科を増設する傾向がある。兵庫医科大は兵庫医療大と統合し、多職種連携教育を行う4学部の医系総合大学になる。学部新設では順天堂大・医療科(臨床検査、臨床工)、日本医療大・総合福祉(介護福祉マネジメント、ソーシャルワーク)、学科では日本医療大・保健医療(臨床工)、鈴鹿医療科学大・保健衛生(救急救命)などが挙げられる。
理工系では、国立の奈良女子大が女子大としては日本で初めてとなる工学部を開設。このほか名城大・情報工、近畿大・情報、日本工業大・先進工(データサイエンス)など、コロナ禍で脚光を浴びた情報系の学部・学科の新設が多い。
国際系は武蔵大・国際教養、追手門学院大・国際、摂南大・国際などがあり、コロナ後の国際社会で活躍するグローバル人材への期待が高まる。また、同じく今後回復が見込まれる観光産業の人材養成に向けて、國學院大・観光まちづくりなどの新設も注目される。
学部改組では、東海大が全学的な改組改編を実施。児童教育、建築都市、文理融合、国際、経営、人文の6学部新設と学科改組により、日本最多の23学部の新体制となる。