改革力が高い大学ランキング2020(女子大学編)

大学改革
改革力が高い大学ランキング2020(女子大学編)

写真=昭和女子大学

多くの受験生が迷うのが志望校選び。そこで頼りになるのがエキスパートの意見だ。全国の進学校2000校に、進路指導教諭おすすめの大学についてアンケートを行った。各項目5校連記で大学を記入してもらい、最初の大学を5ポイント、次の大学を4ポイント…として集計しランキングを作成した。今回は「改革力が高い大学(女子大学編)」だ。

1位は昭和女子大学で14ポイント。同大は、大正9(1920)年に人見圓吉らにより創立された「日本女子高等学院」を前身とする。「世の光となろう」という建学の精神は、同大が推し進めてきたグローバル教育改革や、卒業生数1000人以上の女子大学で第1位という実就職率(※)を誇るキャリア教育などに表れている。特にグローバル教育に関しては、1988年に日本の大学初の海外キャンパス「昭和ボストン」を設置して以来、学生一人ひとりの英語力や目的に応じた多様なプログラムを提供し、海外協定校も幅広い国・地域へと広げ、学生の意欲を後押ししている。また、2019年にはキャンパス内にテンプル大学ジャパンキャンパス(TUJ)が移転。TUJとのダブルディグリー・プログラムや共同授業など、全学生が学内にいながらグローバル体験ができる「キャンパスの国際化」に取り組んでいる。

2位は武庫川女子大学で9ポイント。同大は、1949(昭和24)年に創設された武庫川学院を前身とし、現在は10学部17学科、短期大学部7学科、13の研究所・センターを有する日本最大規模の女子総合大学に発展した。2039年に迎える100周年に向け、同大では「MUKOJO Vision」を策定し、さらなる改革を進めている。2020年には日本の女子大学初の建築学部と、日本初の建築学研究科を設置。同学部・研究科では、6年一貫のカリキュラムで全学生が「一級建築士」を目指す。学部の4年間で一級建築士資格の受験に必要な学歴要件を充て、大学院修士課程では実践的な設計演習やインターンシップ科目を用意。大学内に設置された一級建築士事務所「武庫川女子大学 建築・都市デザインスタジオ」で実際の建築・景観設計プロジェクトに参加し、実務訓練を積むことができる。

3位はお茶の水女子大学で7ポイント。同大は1875(明治8)年に日本初の官立女子機関「東京女子師範学校」として設立され、2004年の国立大学法人化では「お茶の水女子大学は学ぶ意欲のあるすべての女性にとって、真摯な夢の実現の場として存在する」との標語を掲げた。日本の女子教育の先達として、現代社会に必要とされる高度な教養と専門性を備えた女性リーダーの育成とともに、女性のライフスタイルに即した教育研究のあり方を開発・実践し続けている。近年では日本の女子大学で初めてトランスジェンダー学生の受け入れを開始。また、小規模ながら人文社会科学・自然科学・生活科学の分野を持つ大学として、社会が求める研究分野をいち早く開拓。「グローバル人材育成推進事業(全学推進型)」や「博士課程教育リーディングプログラム」にも採択され、教育・研究に反映させている。

※大学通信調べ。実就職率(%)は、就職者数÷〔卒業(修了)者数−大学院進学者数〕×100で算出。

<表の見方>

全国の約2000進学校を対象にアンケートを行い、910校から回答を得た。各項目ごとに5校を選んで順位をつけてもらい、1番目の大学を5ポイント、2番目を4ポイント……として集計した。
大学名の◎は私立、※は国立、無印は公立を表す。


改革力が高い大学ランキング2020(女子大学編)