改革力が高い大学ランキング2020(中国・四国編)

大学改革
改革力が高い大学ランキング2020(中国・四国編)

写真=広島大学 各界のリーダーを招いた講演会「世界に羽ばたく。教養の力」を実施

多くの受験生が迷うのが志望校選び。そこで頼りになるのがエキスパートの意見だ。全国の進学校2000校に、進路指導教諭おすすめの大学についてアンケートを行った。各項目5校連記で大学を記入してもらい、最初の大学を5ポイント、次の大学を4ポイント…として集計しランキングを作成した。今回は「改革力が高い大学(中国・四国編)」だ。

1位は広島大学で23ポイント。継続的に教育カリキュラムの改良を続ける同大にあって、教養教育としては、2017年度から学部新入生を対象に行っている特別講義「世界に羽ばたく。教養の力」がある。スポーツ、芸術、科学、ビジネスなど各界のリーダーを招いた講演を実施している。また、各学部で初年次のインターンシップを実施しており、これらを組み合わせることで学生のキャリア意識の向上に奏功している。2021年度からは「情報・データサイエンス科目」を全学生必修科目とし、文部科学省の「数理及びデータサイエンスに係る教育強化」の協力校として、「数理的思考力」と「データ分析・活用能力」を備えた人材の育成を目指す。オンライン学習支援システムなど、コロナ禍に整備した新たな学習環境を基盤として、対面式とオンラインの併用で多様な教育の提供を実現している。

2位は岡山大学で19ポイント。2021年4月より既存の工学部と環境理工学部を統合し、機械システム系、環境・社会基盤系、電気数理・データサイエンス系、化学・生命系の4つの系を擁する“新生”工学部が誕生した。同学部では「Society5.0 for SDGsの実践教育」をスローガンに、「SDGs関連科目」と「数理データサイエンス科目」を必修科目として設置。また、同大初の建築系の教育プログラムとなる「建築教育プログラム」を新設した都市環境創成コースを含めて、計10コースで工学のほぼすべての専門分野をカバー。コミュニケーション論や海外短期研修、倫理教育科目などの特色ある科目を展開し、「幅広い視野をもち、社会課題を発見・把握し、主体的に解決できる創造的な工学系人材」の育成を目指す。

3位は5ポイントで島根大学、徳島大学、そして広島経済大学が並ぶ。2019年4月に経営学部とメディアビジネス学部を新設し、3学部5学科の社会科学系総合大学へと進化した広島経済大学が目指すのは、「ゼロから立ち上げる」“興動人”の育成。実践を通して知識やスキルを身につける「興動館科目」と行動によって成長を実現する「興動館プロジェクト」から成る「興動館教育プログラム」が、社会で活躍するための人間力を培う独自の取り組みとして高い評価を得ている。また、教育環境面で注目されるのは、2016年に開学50周年を記念して創設されたアカデミック・コモンズ「明徳館」だ。グループワークやディスカッションなど多彩な学びに対応する地上10階建ての施設が、学生の主体的な学びを後押しする。

<表の見方>

全国の約2000進学校を対象にアンケートを行い、910校から回答を得た。各項目ごとに5校を選んで順位をつけてもらい、1番目の大学を5ポイント、2番目を4ポイント……として集計した。
大学名の◎は私立、※は国立、無印は公立を表す。


改革力が高い大学ランキング2020(中国・四国編)