改革力が高い大学ランキング2020(北海道・東北編)

大学改革
改革力が高い大学ランキング2020(北海道・東北編)

写真=東北大学

多くの受験生が迷うのが志望校選び。そこで頼りになるのがエキスパートの意見だ。全国の進学校2000校に、進路指導教諭おすすめの大学についてアンケートを行った。各項目5校連記で大学を記入してもらい、最初の大学を5ポイント、次の大学を4ポイント…として集計しランキングを作成した。今回は「改革力が高い大学(北海道・東北編)」だ。

1位は東北大学で242ポイント。2018年に大野英男総長のもと、建学の理念である「研究第一」「門戸開放」「実学尊重」を基盤とする「東北大学ビジョン2030」を策定。2020年7月には「東北大学コネクテッドユニバーシティ戦略〜ニューノーマルを見据え社会変革を先導する大学を目指して」と題したアップデート版を公表した。これは、サイバー空間とリアル空間の融合的活用を通して大学の諸活動を拡張し、ビジョンの実現を加速させるもの。「教育の変革」「研究の変革」「社会との共創の変革」「大学経営の変革」の4項目ごとに具体案を明示し、コロナ禍で顕在化した社会の分断や格差を越え、ボーダレスかつインクルーシブに世界をつなぐ新たな大学像の確立と、ポストコロナ時代を担うグローバル人材の育成に努めるとしている。

2位は北海道大学で14ポイント。「Boys, be ambitious!(少年よ、大志を抱け)」の言葉で有名なクラーク博士が初代教頭を務めた札幌農学校を前身とする同大は、1876年に設立された。以来、長い歴史の中で培われてきたのは、「フロンティア精神」「国際性の涵養」「全人教育」「実学の重視」という4つの基本理念だ。近年は、持続可能な社会の実現に向けた世界トップレベルの研究推進・社会実装として、北海道を中心とした農林水産業の強靱化を目指し、農林水産業従事者、関連企業、自治体等と緊密に連携。農学研究院の野口伸教授が開発した農作業を無人化するロボットトラクターをはじめ、喫緊の問題解決から中長期的視野に基づく技術革新まで、多様な研究プロジェクトが進められている。

3位は国際教養大学で11ポイント、4位は10ポイントで山形大学が続いた。山形大学は、6つの学部と7つの大学院研究科を備え、約9000人の学生が学ぶ総合大学であり、2019年に創立70周年を迎えた歴史ある大学だ。「地域創生」「次世代形成」「多文化共生」を3つの使命として掲げ、2017年度には、基盤共通教育と基盤専門教育を連動させた3年一貫の基盤教育プログラムをスタートさせた。「学問基盤力」「実践・地域基盤力」「国際基盤力」が3つの基盤力として重視され、独自の基盤力テストの実施などにより、学生の到達・達成度を可視化しながら、主体的な自己学習力と「人間力」の向上が図られている。また、2021年3月には「AIデザイン教育研究推進センター」を開設。先端技術に関わる研究活動も活発に行われている。

<表の見方>

全国の約2000進学校を対象にアンケートを行い、910校から回答を得た。各項目ごとに5校を選んで順位をつけてもらい、1番目の大学を5ポイント、2番目を4ポイント……として集計した。
大学名の◎は私立、※は国立、無印は公立を表す。


改革力が高い大学ランキング2020(北海道・東北編)