改革力が高い大学ランキング2020(東京編)

大学改革
改革力が高い大学ランキング2020(東京編)

写真=早稲田大学

多くの受験生が迷うのが志望校選び。そこで頼りになるのがエキスパートの意見だ。全国の進学校2000校に、進路指導教諭おすすめの大学についてアンケートを行った。各項目5校連記で大学を記入してもらい、最初の大学を5ポイント、次の大学を4ポイント…として集計しランキングを作成した。今回は「改革力が高い大学(東京編)」だ。留学についての記述は、普段の取り組みを取り上げた。コロナ禍で海外への出入国が制限されている。各校の措置については別途ホームページなどを確認して欲しい。

1位は早稲田大学で187ポイント。同大の教育システムは、学部での学び(主専攻)と、グローバルエデュケーションセンターが提供する全学部共通プログラムからなる。全学部共通プログラムは「基盤教育」「言語教育」「リベラルアーツ教育」「人間的力量育成」で構成される。このうち基盤教育は、同大であらゆる学問を学ぶために必須であり、社会に出てからも役立つアカデミックなツールとして、「英語」「数学」「データ科学」「情報科学」「アカデミック・ライティング」の5つが「WASEDA式アカデミックリテラシー科目」として重視され、文系でも数学やデータ科学を学び、理系でもアカデミック・ライティングを学ぶなど、文理融合の取り組みが進められている。

2位は東洋大学で139ポイント。2017年に国際学部、国際観光学部、情報連携学部、文学部国際文化コミュニケーション学科が開設され、2023年度には新たに福祉社会デザイン学部と健康スポーツ学部の2学部5学科が開設予定だ。建築家の隈研吾氏の設計による赤羽台キャンパスの整備計画も進められている。印刷物としての大学案内を発行せず、大学概要や学部・学科の紹介から入試情報、出願、合格発表、入学手続きまでをWebサイトで完結させる「TOYO Web Style」も、時代を先取りした取り組みのひとつ。「Web体験授業」では、これまでに600人以上の教員が特別講義を公開している。2020年には中期計画『TOYO GRAND DESIGN 2020-2024』が策定され、「研究」「教育」「社会貢献・社会連携」「新規事業」「ガバナンス・マネジメント」の5領域で、今後5年間の方針が示されている。

3位は東京大学で118ポイント。世界各国から4200人以上の留学生が集結するグローバル・キャンパスが形成される中、専門分野や国境の枠を越えた学びの機会を提供する「グローバルリーダー育成プログラム」や、英語以外の外国語運用能力を集中的に鍛える「トライリンガル・プログラム」など、多彩なグローバル教育が進められている。入学後の早い時期から学生が世界を意識できるよう、2018年からは国際総合力認定制度「Go Global Gateway」を開始。実行したアクティビティが承認されると活動記録を残すことができ、各自のポートフォリオが作成されるほか、指定された条件を満たした学生には認定証が授与される。3年次以降の分野横断型の特別教育プログラムでは、英語によるアクティブラーニング形式で進められる「GLP(Global Leadership Program) -GEfIL (Global Education for Innovation and Leadership)」も開設されている。

4位は明治大学で89ポイント。2007年以降、「先端数理科学インスティテュート」や「バイオリソース研究国際インスティテュート」「国際武器移転史研究インスティテュート」「再生可能エネルギー研究インスティテュート」「生命機能マテリアル国際インスティテュート」などを開設し、最先端の研究が進む明治大学。2031年の創立150周年に向け、長期ビジョン「グランドデザイン2030」も発表された。特徴的なのは、留学生比率13%や留学経験者比率50%、受入研究費50億円、論文の国際共著率30%など、複数の具体的な数値目標が掲げられていること。クロス・アポイントメント制度※を通じて世界中の大学から講義や教員を取り込むことで世界の大学と融合し、世界標準の教育を実現させることが重視されている。

※研究者等が、大学や公的研究機関、民間企業等の間で、それぞれと雇用契約関係を結び、各機関の責任の下で業務を行うことが可能となる制度。

<表の見方>

全国の約2000進学校を対象にアンケートを行い、910校から回答を得た。各項目ごとに5校を選んで順位をつけてもらい、1番目の大学を5ポイント、2番目を4ポイント……として集計した。
大学名の◎は私立、※は国立、無印は公立を表す。


改革力が高い大学ランキング2020(東京編)