改革力が高い大学ランキング2020(近畿編)

大学改革
改革力が高い大学ランキング2020(近畿編)

写真=近畿大学

多くの受験生が迷うのが志望校選び。そこで頼りになるのがエキスパートの意見だ。全国の進学校2000校に、進路指導教諭おすすめの大学についてアンケートを行った。各項目5校連記で大学を記入してもらい、最初の大学を5ポイント、次の大学を4ポイント…として集計しランキングを作成した。今回は「改革力が高い大学(近畿編)」だ。留学についての記述は、普段の取り組みを取り上げた。コロナ禍で海外への出入国が制限されている。各校の措置については別途ホームページなどを確認して欲しい。

1位は近畿大学で305ポイント。日本初となる建築学部を2011年に開設したほか、2016年には社会人向けの英語指導で豊富なノウハウを持つベルリッツコーポレーションとの連携によってグローバル人材の育成を目指す国際学部を開設した。時代のニーズに応える改革によって、全国ランキングでも5年連続で第1位を獲得している。2020年5月からは「“オール近大”新型コロナウイルス感染症対策支援プロジェクト」がスタートし、総合大学としての強みを生かした全学横断的な新型コロナウイルス感染症対策にも取り組んでいる。現在は全教職員を対象に募集した企画提案の中から、研究費総額で約1億3千万円規模となる全72件が採択され、研究・教育機関としての社会貢献を目指す取り組みが進められている。

2位は立命館大学で182ポイント。2015年に大阪いばらきキャンパス(大阪府茨木市)を開設。2019年にはオーストラリア国立大学(ANU)との提携に基づいて、4年間の授業がすべて英語で行われるグローバル教養学部を同キャンパスに新設。卒業時には立命館大学とANUの2つの学位を取得できるデュアル・ディグリー・プログラムが用意されている。また、2024年4月には情報理工学部と映像学部が大阪いばらきキャンパスに移転することが決定しており、デジタルテクノロジーとアートが融合する学びの一大拠点が誕生する。さらに、海外の大学や研究機関との連携のほか、産官学連携や地域連携の活発化も予定され、社会課題の解決に寄与するソーシャルコネクティッド・キャンパスとして期待されている。

3位は京都大学で109ポイント。2022年に創立125周年を迎える京都大学で今まさに改革が進むのは、男女共同参画(ジェンダー平等)のモデルとなる大学づくり。「女性リーダーの育成」「家庭生活との両立支援」「次世代育成支援」という3つの重点目標を掲げ、男女共同参画推進アクション・プランが進行中だ。例年12月に女子高校生をキャンパスに招く「女子高生・車座フォーラム」を開催し、女性研究者との語らいの場を設けているほか、入学後の授業でも正しい知識の提供と意識づけを目的に「ジェンダーと社会」や「ジェンダー論」などが開講されている。また、優れた成果を挙げた女性研究者・学生を表彰する「たちばな賞」を2008年の時点で創設していたことも、数々のノーベル賞学者を輩出する京都大学ならではだ。

4位は関西学院大学で52ポイント。兵庫県三田市の神戸三田キャンパス(KSC)では、「Be a Borderless Innovator.(境界を越える革新者たれ)」をコンセプトに改革が進められ、2021年度には理工学部が「理学部」「工学部」「生命環境学部」「建築学部」に改組され、総合政策学部のカリキュラムも大幅にリニューアルされる。さらに、文系・理系の垣根を越えた学びによって複眼的な視野を身につけるため、5学部の基礎科目で構成される「KSC分野横断プログラム」を新設するほか、SDGsで掲げられる「持続可能なエネルギー」を重点研究テーマに掲げ、5学部のシナジーで成果を生み出すことを目指す。さらに、実社会を見据えた取り組みとして「アントレプレナー育成プログラム」を創設し、資金提供による支援も含め、学生の起業をバックアップしていく。

<表の見方>

全国の約2000進学校を対象にアンケートを行い、910校から回答を得た。各項目ごとに5校を選んで順位をつけてもらい、1番目の大学を5ポイント、2番目を4ポイント……として集計した。
大学名の◎は私立、※は国立、無印は公立を表す。


改革力が高い大学ランキング2020(近畿編)