人手不足を背景に、大学生の就職活動は好調が続いている。このような状況で多くの就活生は、単にどこでも良いから就職したいというのではなく、できるだけ待遇の手厚い、人気企業や有名企業への就職を目指したいと考えるのではないだろうか。
では、就活生が憧れる人気企業や有名企業は、どのような大学からどれくらいの人数を新卒採用しているのだろうか。それを図る1つの指標として、大学通信は独自に「企業入社難易度」を算出してみた。
一般的には難関大出身者であるほど有名企業や人気企業に就職しやすいというイメージがあるが、実際にはどうなのだろうか。また、採用する企業側の視点に立つと、難関大の学生を中心に採用している場合もあれば、学歴にこだわらず幅広い層の学生を採用している場合もあるだろう。大学入学時の入試難易度データと、大学卒業時の企業別就職者数データを組み合わせれば、各企業の新卒就職者の傾向を掴むことができるのではないだろうか。
大学入学時の入試難易度は、駿台予備学校の模試の難易度を使用。大学卒業時の企業別就職者数は、日経平均株価指数の採用銘柄や、会社規模、知名度、大学生の人気企業ランキングなどを参考に大学通信が選んだ約400社について、医学部と歯学部の単科大学を除くすべての大学を対象に大学通信がアンケート調査した数値だ。各企業の採用全てを網羅しているわけではないが、765大学にアンケートを送付し、568大学から回答があり、75%ほどの回答率となっている。
以上を前提とし、新卒就職者の出身大学の入試難易度を、人数に応じて加重平均して「企業入社難易度」を算出した。例えば、ある企業の新卒就職者が15人で、その内訳は入試難易度64.9の一橋大が2人、同59.1の横浜国立大が5人、同55.8の埼玉大が8人だった場合を考えてみよう。その企業の入社難易度は、(一橋大64.9×2人+横浜国立大59.1×5人+埼玉大55.8×8人)÷15人=58.1になる。
この「企業入社難易度」を、就職者10人以上が判明している企業を対象にランキングしたのが、表の「企業入社難易度ランキング」だ。ランキング上位の企業ほど、難関大出身者でないと入社が難しいということが言えそうだ。
では、ランキングを見てみよう。1位はマッキンゼー・アンド・カンパニー・インコーポレイテッド・ジャパン(以下マッキンゼー)、2位はボストン コンサルティング グループ(以下BCG)の順だ。この2社は調査対象に加わった2021年以降、順位が入れ替わりながら5年連続で1位と2位に立ち続けている。
これら外資系コンサルティングファームは徹底した実力主義を取り入れていることが多く、高いパフォーマンスを発揮できる人材であれば若手時代から年収1000万円を超える高収入を望むことができると言われている。激務であることや常に周囲からの評価にさらされることなど厳しさも伴うが、優秀な学生にとってはチャレンジしがいのある魅力的な仕事に映るのではないか。新卒就職者の主な出身大学を見てみると、マッキンゼーは全体51人のうち、半数を超える26人が東大だ。ほか、慶應義塾大12人、早稲田大8人、京大3人など。BCGは全体53人で、主な出身大学は東大20人、京大10人、早稲田大8人、慶應義塾大6人、一橋大4人などとなっている。
外資系コンサルではほかに、6位にEYストラテジー・アンド・コンサルティング、14位にKPMGコンサルティング、15位にPwCコンサルティングがつけている。また、国内発のコンサルでは、30位にアビームコンサルティング、41位に野村総合研究所、46位にベイカレントが入っている。
国内企業で順位が高いのは、総合商社だ。3位は三菱商事、4位は三井物産、5位は住友商事、7位は丸紅、10位は伊藤忠商事と、ランキングトップ10のうちの半数を占めているのだ。新卒就職者の主な出身大学をそれぞれ見ていこう。三菱商事は東大32人、早稲田大24人、慶應義塾大19人、京大8人、一橋大6人など。三井物産は慶應義塾大33人、東大31人、早稲田大20人、京大9人、大阪大と上智大各5人など。住友商事は慶應義塾大17人、東大と早稲田大各16人、京大10人、大阪大7人など。丸紅は慶應義塾大と早稲田大各23人、京大9人、東大8人、大阪大7人。伊藤忠商事は早稲田大25人、慶應義塾大22人、東大と京大各14人、大阪大と同志社大各6人など。
上記の総合商社5社は総称して5大商社と呼ばれている。ここに双日と豊田通商を加えて7大商社と呼ぶ場合もある。双日は43位、豊田通商は47位といずれも高順位だ。
8位に入ったのはメルカリ。個人同士で不用品の売買を行える、同名のフリーマーケットアプリのサービスが急成長中だ。2025年のJ1リーグを制した鹿島アントラーズの経営権も保有している。新卒就職者の主な出身大学は、慶應義塾大6人、東大と早稲田大各5人、京大3人などだ。
9位は三菱地所。東京の丸の内エリアをはじめ、全国の主要なビジネスエリアに数多くのオフィスビルを有する。新卒就職者の主な出身大学は、慶應義塾大8人、東大7人、早稲田大6人、大阪大と上智大各3人など。不動産は例年、外資系コンサルや商社に次いでランキング上位に入る企業が多い。今回は、東京建物が11位、三井不動産が26位、東急不動産が51位、野村不動産が58位に入っている。
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(企業入社難易度の算出方法)
◆就職者数は、各大学へのアンケート調査による。東京大学は「東京大学新聞」、京都大学は「京都大学新聞」より判明分を集計。2026年1月31日現在。未回答の大学は含んでいない。また、大学により一部の学部・研究科の人数を含んでいない場合がある。調査対象となる主要約400社は、日経平均株価指数の採用銘柄に加え、会社規模や知名度、大学生の人気企業ランキングなどを参考に大学通信が選定した。
◆大学の入試難易度は、駿台予備学校・第二回駿台atama+共通テスト模試(合格可能性80%以上)を使用した。全データから、2部・夜間主コース、医学部医学科、歯学部歯学科、私立大共通テスト利用入試を除いた難易度の平均を学部平均難易度とし、その平均値を各大学の平均難易度とした。ただし、共通テスト利用入試のみの私立大は共通テスト利用入試のデータを使用した。専門職大学など、一部集計外とした大学がある。
◆企業入社難易度は、大学の平均難易度×その大学からの就職者数を企業ごとに合計し、その企業の就職者数の合計で割り算した。同じ難易度で順位が異なるのは、小数点第2位以下の違いによる。就職者判明数が9人以下の企業は掲載していない。

51位から270位(入社難易度55.0)までは有料でご覧いただけます
