写真=岐阜聖徳学園大学
今回は、小学校教諭の就職者が多い大学を紹介する。1位は就職者数314人の福岡教育大学。2位は309人の愛知教育大学、3位は294人の北海道教育大学がランクイン。4位は224人の東京学芸大学、5位は212人の大阪教育大学、6位は199人の岐阜聖徳学園大学、7位は198人の文教大学、8位は182人の明星大学、9位は172人の白鷗大学、10位は171人の宮城教育大学、11位は160人の玉川大学が続いた。小学校教諭輩出のために、各大学ではどのような取り組みが行われているのか、順に見ていこう。
1位の福岡教育大学は、創立から77年の歴史を持つ、九州・沖縄地方の教員養成を牽引する国立大学だ。教育学部には3課程あり、小学校教諭1種免許は「初等教育教員養成課程」と「特別支援教育教員養成課程」で取得できる。「中等教育教員養成課程」でも条件次第で取得可能だ。初等教育教員養成課程は、「幼児教育/小学校教育専攻/人文・社会教育/理数教育/芸術・実技教育」の5つのプログラムを用意。幼児教育や小学校教育のスペシャリスト、教科担任制や義務教育学校での教科指導もできる小学校教員など、学生が目指す教員像や希望する進路などに合わせて選択可能。また、ボランティア活動を教育の一環として推進している。「つなぐ」「であう」「つくる」の3つの理念のもと、学校での学習支援活動をはじめ、地域でのさまざまな支援活動を通して、教員としての資質や能力の向上を図っている。
6位の岐阜聖徳学園大学は、教育学部学校教育課程に10専修を設置。小学校教諭だけでなく、幼稚園や中学校、高等学校、特別支援学校を組み合わせた複数免許の取得を目指すカリキュラムを用意している。実体験を通して教員としての力を高める「クリスタルプラン」は、同大独自のプログラムだ。「教職体験科目群」と「子ども理解活動」を通して1年次から子どもたちとふれあい、授業や学級経営の参観を経て3年次で教育実習を行うことで、段階的に実践力を身につけていく。また、教員採用試験対策にも力を注いでいる。これまで学生が受験した20を超える自治体への対策に加え、3年次で受験できるようになるなど変革期に入った教員採用試験の新しい流れにも対応していく。
7位の文教大学は、2027年に創立100周年を迎える。教育学部は私立大学で初めて教員養成を目的に開設され、現在は「学校教育」と「発達教育」の2課程を設置。50年以上にわたって1万人以上の教員を輩出している。学校教育課程は、教科別の9専修に分かれて専門性を高め、小学校から高校までの学習体系を理解した上で小・中・高の学びをつなぐスペシャリストを育成する。発達教育課程は、「特別支援教育/初等連携教育/児童心理教育/幼児心理教育」の4専修を設置。一人ひとりの子どもに応じた支援ができる教員を養成する。「『先生の助手』体験プログラム」や「学生ボランティア補助教員制度」「アメリカ学校教育研修」など、実際の現場で実践力を磨くプログラムも用意されている。
8位の明星大学は、教育学部教育学科に「小学校教員/教科専門(国語・社会・数学・理科・音楽・美術・保健体育・英語)/特別支援教員/子ども臨床」の4コースを設置。全コースで小学校教諭1種免許の取得が可能だ。実際の教育現場を体験する「教育インターンシップ」や、学生同士が協働して課題に取り組む「フレッシュマンキャンプ」、学生がイベントを企画する「課外活動」など多様な体験を通して幅広い知識と視野を養い、自ら考えて行動できる教員を養成する。また、入学後から卒業まで、学科の教員と教職センターが学生をサポート。インターンシップや実習に関する手続きや校長経験者による指導、教員採用試験対策など、個々に応じた情報提供やアドバイスを行っている。
9位の白鷗大学は、教育学部発達科学科に4専攻を設置している。そのうち、「児童教育専攻」の「小学校教育コース」で小学校教諭1種免許を取得することができる。同学科独自のプログラムとして、教育実習の前から教育の現場を体験できる「スクールサポート」が挙げられる。地域の小中学校で週に1〜3回程度、現場教員の指導のもとで児童や生徒の学習活動や部活動などを支援するプログラムで、2年次から参加できる。また「教職支援室」では、教員採用試験に向けた準備や対策のアドバイスなどを実施。公立校の管理職や教育委員会指導主事の経験者を教職支援アドバイザーとして配置し、採用する側の立場から筆記試験対策や論作文、面接、集団討論や模擬授業などについて実践的な指導を行っている。
11位の玉川大学は、教育学部教育学科に3専攻を設置。「全人教育」のもと、豊かな人間性を備えた教員を数多く輩出してきた。小学校教諭1種免許は「初等教育専攻」で取得できる。また、幼稚園教諭や中学校教諭(社会2種、保健体育2種)の取得も可能。小中一貫教育を視野に入れたキャリアを目指すことができる。この他、中学校・高校免許を取得できる「ダブル免許プログラム*」も用意されている。初等教育専攻では、入学後すぐに幼稚園や小学校などで実際の授業を参観する「参観実習」をはじめ、玉川学園内や学外の学校・保育所での「教育インターンシップ」、近隣の学校や保育所で学習補助などの現場体験を行う「教育ボランティア」などさまざまな体験を通して教師としての資質を高めている。
*中学校2種免許(国語・英語・数学・理科)、高等学校1種免許(情報)の取得が可能。プログラムの参加には入学後一定の要件と、別途費用が必要。
<表の見方>
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医科・歯科の単科大等を除く全国765大学に2025年春の就職状況を調査。568大学から得た回答を基にランキングを作成した。就職者数には臨任・非常勤を含む。
設置の※印は国立、◎印は私立、無印は公立。大学名横の*印は大学院修了者を含むことを表す。大学により、一部の学部・研究科を含まない場合がある。大阪公立大は統合前の大阪市立大と大阪府立大の実績を掲載した。

