写真=九州工業大学
多くの受験生が迷うのが志望校選び。そこで頼りになるのがエキスパートの意見だ。全国の約3000高校に、進路指導教諭おすすめの大学についてアンケートを行った。各項目5校連記で大学を記入してもらい、最初の大学を5ポイント、次の大学を4ポイント…として集計しランキングを作成した。今回は「教育力が高い大学ランキング(九州編)」だ。
【2024年 進路指導教諭が勧める大学】
①(面倒見が良い大学)
②(就職に力を入れている大学・入学後、生徒を伸ばしてくれる大学)
1位は九州大学で155ポイント。優れた若手研究者を育成するため、2023年4月に入学前から博士課程修了までを一貫する学びの過程ととらえた一体的な改革を推進する「未来人材育成機構」を設置。プログラムの枠を超えた情報やリソースの共有、グッドプラクティスの他への応用や新たな教育モデルの開発などを進めている。さらに、社会の複雑な課題を解決できる力を養うため、文理融合教育にも力を入れ、情報系教育では全学生が自らの専門分野に数理・データサイエンス・AIを応用できるように、2024年10月から「情報系副専攻プログラム」を開始。このほか、『基盤』と『応用』の相乗効果で未来を拓く高度AI人財育成プログラム(K-BOOST)では、AIに関する高度な専門性に加え、AI技術を他分野に応用できる能力を有した博士人材の育成に取り組んでいる。
2位は立命館アジア太平洋大学で49ポイント。在籍学生の半数が海外留学生で、教員の約半数も外国籍という、極めて多様で国際的な学修環境を有し、授業の98%が日本語と英語で行われる「二言語教育」を導入。日本語基準で入学した国内学生は、卒業までに英語で開講される科目を20単位以上修得する必要があり、国際社会で通用するレベルにまで英語力を高めることができる。また、初年次教育にも力を入れ、大学での学習を主体的かつ自律的に進めるためのスキルなどを身につける「スチューデントワークショップ」や、多国籍な学生と協働して学ぶために必要な知識や手法を身につける「多文化協働ワークショップ」などを用意。4年間を通してグローバル人材としての姿勢やマインドを涵養する。
3位は九州工業大学で38ポイント。グローバル社会で活躍する技術者に必要な能力を「GCE(Global Competency for Engineer)」と定め、これを養成する6年一貫教育プログラム「グローバル・エンジニア養成コース」を設置。学部4年間と大学院2年間を通したプログラムで、学部1年生からグローバル教養科目を学び、海外留学などの必修化やTOEICなどの英語能力試験のスコアをコース修了要件としている。さらに、学部1年生から学べる「MDASHプログラム」など数理・データサイエンス・AI教育にも力を入れ、デジタル人材教育の高度化を推進。社会変革に対応すべく、2026年度にはこれまでの学科制から「コース制」へ移行予定。学部共通の文理融合教育「副プログラム」も導入する。
4位は熊本大学で24ポイント。5位は西南学院大学で17ポイント。
西南学院大学は、時代に応じた学びを実現するため、2025年度より「学生が自らの成長を実感できる」カリキュラムを編成。全学部・学科の学生を対象とした「Global Liberal Arts」は、世界各国からの多様な留学生とともに英語で学ぶ共通科目。地域、日本、社会に貢献できる教養豊かで創造性を備えた人の育成を目指し、講義や留学生とのグループワークなどを通じて、日本と世界の現状を学び、実践的な英語力やコミュニケーション力を磨く。また、デジタル社会において確かな倫理観を持ち、データやAIの知識や分析力を兼ね備えた人材を育成するため、全学部・学科の学生が履修できる「データサイエンス副専攻」もスタートした。
6位は佐賀大学で11ポイント。7位は福岡工業大学で6ポイント。
福岡工業大学は、「情報」「環境」「モノづくり」の3分野を主体とした丁寧な教育を実践。グローバル教育にも力を入れており、独自のプログラム「Global Challenge Program(GCP)」では、1年次の参加者全員に国際適応力の基礎を養う特別支援を行っている。その後1年次後期に選抜を行い、選抜された学生は4年一貫の特別英語支援を受けながら、オンライン留学や短期海外研修、留学生との課題解決型学習などに取り組む。また、学部4年間と修士課程2年間の6年間を一貫して学べる「FIT-Techプログラム」もスタート。すべての学科で3年次後期までに研究室に早期配属され、研究活動と大学院での専攻を超えた分野横断のコースワークに取り組むことができる。奨学金制度も用意されている。
<表の見方>
-
全国約3000高校を対象にアンケートを行い、766校から回答を得た。各項目ごとに5校を選んで順位をつけてもらい、1番目の大学を5ポイント、2番目を4ポイント……として集計した。
学校名の※印は国立、◎印は私立、無印は公立を表す。