写真=東京理科大学
多くの受験生が迷うのが志望校選び。そこで頼りになるのがエキスパートの意見だ。全国の約3000高校に、進路指導教諭おすすめの大学についてアンケートを行った。各項目5校連記で大学を記入してもらい、最初の大学を5ポイント、次の大学を4ポイント…として集計しランキングを作成した。今回は「教育力が高い大学ランキング(東京編)」だ。
【2024年 進路指導教諭が勧める大学】
①(面倒見が良い大学)
②(就職に力を入れている大学・入学後、生徒を伸ばしてくれる大学)
1位は東京大学で843ポイント。東大の学部教育における大きな特徴は、前期課程の後に専門分野を決める「進学選択制度」にある。教養学部で学ぶ2年間の前期課程ではリベラルアーツ教育を重視し、特定の分野に偏らない広い視野と総合的な判断力を養う。学術的な学びのスキルや主体的な姿勢を身につける「初年次ゼミナール」は、20人程度の少人数制だ。また、学術的な文章作成能力を養う「ALESS(理科生向け)」「ALESA(文科生向け)」、英語での論理的かつ流暢な議論ができるスピーキング力を磨く「FLOW」など、グローバル社会に対応する英語運用能力を修得する科目が必修だ。前期課程での幅広い学びと専門研究のための基礎づくりを経て、後期課程で学ぶ専門分野を主体的に選択していく。
2位は東京理科大学で187ポイント。近年、大胆な組織改編を推し進める同大。既存の学問分野を超えて連携し、科学技術をベースに新たな価値を生み出す理工系人材の育成を目指している。2023年度には理工学部を創域理工学部に名称変更し、先進工学部を5学科体制に改編。2025年度からは、薬学部が野田キャンパスから葛飾キャンパスに移転して再スタートを切った。同キャンパスには工学部と先進工学部があり、この2学部と研究交流を深めて「薬工連携」を進めていく。さらに2026年度には、野田キャンパスに「創域情報学部」を、神楽坂キャンパスを拠点とする理学部第一部に「科学コミュニケーション学科」を新設する*。また、全学で「データサイエンス教育プログラム」を実施するなど、今後の社会変革の核心といえる情報科学技術を担う「デジタル人材」の育成にも力を入れていく。
*仮称・設置構想中
<表の見方>
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全国約3000高校を対象にアンケートを行い、766校から回答を得た。各項目ごとに5校を選んで順位をつけてもらい、1番目の大学を5ポイント、2番目を4ポイント……として集計した。
学校名の※印は国立、◎印は私立、無印は公立を表す。
東京科学大は東京医科歯科大と東京工業大の合計