写真=中京大学
多くの受験生が迷うのが志望校選び。そこで頼りになるのがエキスパートの意見だ。全国の約3000高校に、進路指導教諭おすすめの大学についてアンケートを行った。各項目5校連記で大学を記入してもらい、最初の大学を5ポイント、次の大学を4ポイント…として集計しランキングを作成した。今回は「改革力が高い大学ランキング(北陸・東海編)」だ。
【2024年 進路指導教諭が勧める大学】
①(面倒見が良い大学)
②(就職に力を入れている大学・入学後、生徒を伸ばしてくれる大学)
1位は金沢大学で67ポイント。同大は、1862年に創設された加賀藩彦三種痘所を源流とし、旧制第四高等学校などの前身校の歴史と伝統を受け継ぐ総合大学。「地域と世界に開かれた教育重視の研究大学」を基本理念としており、国境を越えて活躍できる専門性を兼ね備えた人材を育成している。2023年には実証研究の中核となる「未来知実証センター」を設置。基礎研究、応用研究、社会実証研究を通じた「未来知による社会貢献」を加速するさまざまな取り組みを行っている。教育面では2024年から、デジタル分野と観光分野の学士課程の入学定員を大幅に拡大。教育の抜本的飛躍を担う「未来創成教育環」を軸に学修者主体の教育改革を推進するほか、学士課程から大学院博士後期課程まで一貫した「文理医融合教育」の展開・拡充も進めている。
2位は金沢工業大学と中京大学が29ポイントで並んだ。
金沢工業大学は「KIT2025ビジョン」を掲げ、日本の成長分野であるDX(デジタルトランスフォーメーション)、GX(グリーントランスフォーメーション)、SX(サステナビリティ・トランスフォーメーション)をリードする人材の育成を目指している。学部教育にAIやIoT、データサイエンスなどの情報技術を導入した「問題発見解決型学習」、社会に新たな価値を創出する「文理探究型の教育研究」、産官学連携による「社会実装型の教育研究」の3つを強化ポイントとして、それらを具体化する取り組みがスタート。2025年には「情報デザイン学部」「メディア情報学部」「情報理工学部」の情報系3学部を開設し、6学部17学科体制で「文理探究型」の教育研究を推進している。
中京大学は開学以来、時代が求める学びを提供する改革を進め、10学部20学科の全国型総合大学へと成長してきた。2024年度からは長期計画「NEXT10 2033」を策定。教育、研究、国際化、学生支援、社会連携・社会貢献の5つを骨子として定め、10の推進分野を設定。教職員と学生が協働しながら「挑戦する大学」として改革を続けている。特に教育分野では、デジタルイノベーションが進む社会で新たな価値を創造し、課題発見・解決ができる力を備える人材育成に注力。数理・データサイエンス教育や問題解決型学習、持続可能な開発のための教育を充実させ、新たな時代を切り拓く力を磨いている。地域の他大学や企業との連携強化やICT環境の拡充など、学修の効果や意欲を向上させるための環境整備にも取り組んでいる。
<表の見方>
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全国約3000高校を対象にアンケートを行い、766校から回答を得た。各項目ごとに5校を選んで順位をつけてもらい、1番目の大学を5ポイント、2番目を4ポイント……として集計した。
学校名の※印は国立、◎印は私立、無印は公立を表す。
東京科学大は東京医科歯科大と東京工業大の合計