写真=京都大学
多くの受験生が迷うのが志望校選び。そこで頼りになるのがエキスパートの意見だ。全国の約3000高校に、進路指導教諭おすすめの大学についてアンケートを行った。各項目5校連記で大学を記入してもらい、最初の大学を5ポイント、次の大学を4ポイント…として集計しランキングを作成した。今回は「教育力が高い大学ランキング(近畿編)」だ。
【2024年 進路指導教諭が勧める大学】
①(面倒見が良い大学)
②(就職に力を入れている大学・入学後、生徒を伸ばしてくれる大学)
1位は京都大学で497ポイント。同大は全国編でも3位にランクイン。伝統的に「対話を根幹とした自学自習」を教育の柱に据え、学生の知的好奇心や探究心を育む大学だ。学問の魅力に触れる第一歩となるのが、教養科目や外国語、専門基礎科目といった教養・共通教育。個々の学問領域を超えて幅広い分野の知見を広げるカリキュラムがあり、5~25人程度の少人数教育を行っている。主に学部新入生を対象とする「ILASセミナー」は、毎年250以上を開講。実際の現場で教育研究に携わる教員とともに、半年あるいは一年を通して特定のテーマについて同じメンバーで議論を進めながら授業を展開。対話を通じて新たな知識を生み出していく学問のプロセスを知るとともに、多方面で活躍するために必要な視点や素養を身につけていく。
2位は大阪大学で171ポイント。同大は全国編でも5位にランクイン。学問の真髄を極める専門性の獲得に加え、幅広い見識に基づく確かな社会的判断力としての「教養」、異なる文化的背景をもつ人と対話できる「国際性」、自由なイマジネーションと横断的なネットワークを構想する「デザイン力」の3つを備えた人材の育成を教育の基本とする大学だ。「教養教育」「専門教育」「国際性涵養教育」の3つの柱を、大学入学から大学院修了まで一貫して行う教育体系を構築している。全学共通教育の「学問への扉(愛称:マチカネゼミ)」は、学部1年次生全員が受講する少人数セミナー型の必修科目。多種多様な分野から履修科目を選択可能で、高校までの知識集約型の学びから、主体的で独創的な学びへの転換を目的に授業を展開している。
3位は同志社大学で42ポイント。自由な学びを求めて21歳の若さでアメリカに渡航した新島襄が創設した同志社英学校を前身とする同大。学べば学ぶほど自由になり、学生が世界に飛び出したくなるような「価値転換システムとしての大学」の構築を目指している。2024年度からリベラルアーツ教育をさらに充実させるとともに、対面13回+オンデマンド授業2回による新たな学年暦を導入。休暇期間を長くし、主体的な学びの機会を拡大した。37カ国・地域の176大学(2024年3月末時点)と学生交換協定を結ぶなど教育・研究の場は世界に広がっており、ドイツの名門テュービンゲン大学構内には「EUキャンパス」を設置。春・秋の各学期に約15人の学生が学んでいる。
4位は関西学院大学で19ポイント。開学以来、スクールモットーである「Mastery for Service(奉仕のための練達)」を体現する「世界市民」の育成に力を注ぐ大学だ。創立150周年を見据えた将来構想として理系教育の強化・充実を掲げており、2021年には理系4学部(理学部、工学部、生命環境学部、建築学部)を新設。25年には理系学部が集まる神戸三田キャンパスに複合施設「KSC Co-Creation Village(C-ビレッジ)」を開設した。起業を志す人を産学官民の連携で支援するインキュベーション施設や、300人規模の学生寮、地域の人も利用可能なフィットネスジムがある商業施設など、C-ビレッジ内には多様な施設を整備。広く市民に開かれた環境で、アントレプレナーシップを涵養する多彩な教育プログラムを展開している。
<表の見方>
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全国約3000高校を対象にアンケートを行い、766校から回答を得た。各項目ごとに5校を選んで順位をつけてもらい、1番目の大学を5ポイント、2番目を4ポイント……として集計した。
学校名の※印は国立、◎印は私立、無印は公立を表す。
東京科学大は東京医科歯科大と東京工業大の合計
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