写真=近畿大学
多くの受験生が迷うのが志望校選び。そこで頼りになるのがエキスパートの意見だ。全国の約3000高校に、進路指導教諭おすすめの大学についてアンケートを行った。各項目5校連記で大学を記入してもらい、最初の大学を5ポイント、次の大学を4ポイント…として集計しランキングを作成した。今回は「就職に力を入れている大学ランキング(近畿編)」だ。
【2024年 進路指導教諭が勧める大学】
①(面倒見が良い大学)
②(就職に力を入れている大学・入学後、生徒を伸ばしてくれる大学)
1位は近畿大学で91ポイント。低学年次からさまざまなことにチャレンジして社会で働くことの意味を認識するとともに、在学中に学んだ知識や学生自身の興味・関心から自分のキャリアを考えるための支援を展開。キャリアガイダンス、業界研究会、インターンシップ、課外講座など低学年次から利用可能な各種ガイダンスやセミナーを揃え、「学生一人ひとりの希望に沿った就職・進路」を実現するためにさまざまなサポートを行っている。人気の高いマスコミ、金融、総合商社を志望する学生を対象に、業界で働く社会人による特別講演会や就職活動対策講座をゼミ形式で行う「業界特化プロジェクト」や、厳しい就職活動を学生と教職員が一体となって乗り越えていく「就職活動決起大会」など、特色ある取り組みも多い。
2位は立命館大学で82ポイント。正課と課外の幅広い学びにより、専門性や社会で求められる能力・資質を育み、「将来のビジョン」の形成を目指している大学だ。40人以上の専門スタッフが学生の多様な相談に応じるとともに、就職活動に必要な力の醸成に向けたさまざまな支援企画を開催。各学部に担当スタッフを配置し、業界や企業についての情報提供も積極的に行っている。在学生と卒業生がお互いに支えあう「スチューデンツ・ネットワーク」による支援も充実しており、進路決定者による「就活体験談・相談会」や、「学内OBOG訪問会」の機会が豊富。先輩への相談や、OBOG訪問がしやすい環境を整え、「学生一人ひとりの希望する進路の実現」に向けた支援を行っている。
3位は大阪工業大学で60ポイント。毎年トップレベルの就職実績を誇る大学で、2024年の実就職率ランキング(卒業生数1000人以上の大学)は全国3位の98.1%。関西の私立大学では15年連続のトップだ。就職への強さの背景にあるのが、100年を超える伝統の実践教育。学生自身が考え、行動し、失敗を経験しながら課題解決能力を身につける「PBL(Problem Based Learning)教育」や、英語の自立学修をサポートする制度など、学びへの情熱を育む数多くの取り組みを行っている。その一つ、工学部機械工学科の「開発プロセス発展演習」では、企画、設計、加工、組立、分析、評価に至る開発の一連の流れを実際に体験。1年を通してものづくりの難しさや面白さに触れ、失敗体験も重ねる中で、実践力を身につけている。
4位は関西学院大学で42ポイント。教職員一丸となった学生への支援体制があり、総合大学の中で毎年トップクラスの就職率を実現している。キャリア教育として「ライフデザイン」科目を開講しているのが特徴の一つ。学生生活をどう過ごすのかを考えながら、将来の夢への道のりを具体的に描いていく1年次の「KGキャリア入門」をはじめ、企業等に勤務する社会人から職務・キャリアについて話を聞き、企業の存在意義や生涯を通したキャリア形成について学ぶ「ライフデザインと仕事」。社会の第一線で活躍する卒業生やビジネスパーソンを講師として迎え、講義やビジネスプランを考案するグループワークを通じて社会で必要とされる能力を鍛える「キャリアゼミ」など、人生観や職業観を養う機会が豊富にある。
<表の見方>
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全国約3000高校を対象にアンケートを行い、766校から回答を得た。各項目ごとに5校を選んで順位をつけてもらい、1番目の大学を5ポイント、2番目を4ポイント……として集計した。
学校名の※印は国立、◎印は私立、無印は公立を表す。
東京科学大は東京医科歯科大と東京工業大の合計