写真=東北大学
多くの受験生が迷うのが志望校選び。そこで頼りになるのがエキスパートの意見だ。全国の約3000高校に、進路指導教諭おすすめの大学についてアンケートを行った。各項目5校連記で大学を記入してもらい、最初の大学を5ポイント、次の大学を4ポイント…として集計しランキングを作成した。今回は「改革力が高い大学ランキング(全国編)」だ。
【2024年 進路指導教諭が勧める大学】
①(面倒見が良い大学)
②(就職に力を入れている大学・入学後、生徒を伸ばしてくれる大学)
1位は東北大学で533ポイント。同大は、世界トップレベルの研究水準を目指して国が100億円規模の支援を行う「国際卓越研究大学」に認定された唯一の大学。「未来を変革する社会価値の創造」「多彩な才能を開花させ未来を拓く」「変革と挑戦を加速させるガバナンス」の3つのコミットメントの下、若い人材が活躍、挑戦しやすい研究環境の整備を進めている。ダイバーシティの推進にも力を入れており、2024年度には学部入学者の女性比率が30%を超えた。有志の女子大学院生が出張セミナーを行うサイエンス・アンバサダー(SA)など、自然科学系分野に進む女子学生や女性研究者の比率を上げる活動も行っている。総合型選抜の募集人数が全体の3割を超えており、将来的には100%を目指している。
2位は早稲田大学で408ポイント。「社会に出て役に立つ人材」「人類社会に貢献できる人材」を育てることに主眼を置く同大は、文理融合の幅広い資質を身につけるための教育を推進。ビッグデータ解析や統計学を扱う「データ科学入門」など、文理を問わずデータサイエンス教育も重視している。幅広い領域の基礎学力を低学年次から養うことは、専門性を伸ばしていくための土台にもなっている。大学教育の変革のため、大学入試改革にも積極的に取り組んでいる。政治経済学部では2021年度入試から大学入学共通テスト利用入試で数学を必須化。教育学部は2023年度から大学入学共通テスト利用入試に5教科型を導入した。2025年度からは社会科学部と人間科学部が、従来の3教科型方式から、大学入学共通テストと学部独自試験を組み合わせる形に変更した。
3位は近畿大学で290ポイント。日本初の入試の完全ネット出願への移行や、国際学部全学生の1年間留学必須化と「ベルリッツ」の語学学習プログラムの導入など、数々の先駆的な試みを行っている大学だ。一般選抜志願者数は2024年度まで11年連続全国1位で、受験生からの評価も高い。また、2024年の「社会人が評価する大学ランキング」においても「ここ20年で社会的評価が高まったと思う大学」で全国4位にランクインしている。今後の改革の方針を示した「長期ビジョン2030」では、「常に革新的である」「社会の役に立つ」「期待され応援される」の3つを行動指針としている。「時代の変化に対応し、選ばれる教育機関であり続ける」ことで、社会に貢献できる人材の育成を続けていく。
4位は東京科学大学で238ポイント。2024年10月に東京医科歯科大学と東京工業大学が統合して設立された大学だ。日本でも屈指の研究力を有する両大学統合の背景として挙げられたのが、大学がより大きな役割を果たしていくことに対する社会からの期待の大きさだ。地球環境の悪化、新興・再興感染症、少子高齢化など、人類はこれまで想像し得なかった地球規模の課題に直面している。その解決に向けて、両大学が積み上げてきた理工学、医歯学に関する数々の実績と知を結集。両大学の重点分野や戦略分野を強化し、尖った研究をさらに推進することで、社会に貢献できる大学へと進化していく。
<表の見方>
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全国約3000高校を対象にアンケートを行い、766校から回答を得た。各項目ごとに5校を選んで順位をつけてもらい、1番目の大学を5ポイント、2番目を4ポイント……として集計した。
学校名の※印は国立、◎印は私立、無印は公立を表す。
東京科学大は東京医科歯科大と東京工業大の合計
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