写真=東京家政大学
今回は、保育士の就職者が多い大学を紹介する。1位は就職者数167人の東京家政大学。2位は161人の聖徳大学、3位は123人の白梅学園大学、4位は96人の桜花学園大学が続いた。保育士輩出のために、各大学がどのような取り組みを行っているのか、順に見ていこう。
1位の東京家政大学は、板橋キャンパスで学ぶ「児童学科」と、狭山キャンパスで学ぶ「子ども支援学科」で、保育士資格取得を目指すことができる。両学科ともに幼児教育や保育についての研究や実践に関する専門科目と、多様な実習が用意されている。児童学科は60年の歴史を誇る。「児童学」「育児支援」の2専攻制で、保育・心理・文化・福祉・保健の5分野からなる児童学を総合的に学ぶ。保育士資格については“全員取得”が原則だ。子ども支援学科は、支援を要する子どもを含むすべての子どもの発達を支援し、個々の可能性を広げるための保育力を養成。キャンパス内にある子どものための施設(保育所、クリニック、デイサービス)と連携した活動などを通して、実践的に学ぶことができる。
2位の聖徳大学は、「保育の聖徳🄬」と呼ばれるほど、毎年多くの保育士を輩出。教育学部「児童学科」に「幼稚園教員」「保育士」「児童心理」「児童文化」「医療保育*」の5コースを設置し、全コースで保育士の資格取得を目指すことができる。同学科では、2年次からコースに分かれて専門的に学ぶが、3年次からは複数選択が可能な専門科目「スペシャリティプログラム」を新たに導入。興味や将来の希望に合わせた学びを組み合わせることで、自らの可能性を広げることができる。また、就職支援にも力を入れており、1年次から始まる「聖徳夢プロジェクト」では、ライフイベントも考慮したキャリアデザインを学ぶほか、「夢実現プロジェクト」では少人数での丁寧な指導で社会人基礎力を高めることができる。
*2025年4月新設。
3位の白梅学園大学は、2024年4月に、70年にわたる保育士養成に定評のある「子ども学部」をリニューアル。「子ども」「家族・地域支援」「子ども心理」「教育」の4学科体制となり、子ども学科と子ども心理学科で保育士資格の取得を目指すことができる。同大は、「ヒューマニズム(人間尊重)」の理念の下、幅広い視点を持って子どもと人間を理解する「子ども学」と、豊かな教養を育む「リベラルアーツ教育」、スペシャリストとしての専門性を培う「専門教育」、社会での活動を通して実践力を身につける「地域連携活動」を軸に、人と社会に寄り添うことのできる保育士を育成。就職活動に向けたサポートだけでなく、社会貢献活動や各種セミナーの開催など、キャリア形成教育にも力を入れている。
4位の桜花学園大学は、2025年4月に保育学部を「教育保育学部」に名称変更し、「教育保育」と「国際教養こども」の2学科を新たに設置する。教育保育学科は、教育学と保育学をともに学び、多様化する教育と保育の課題に柔軟に対応できる教育者・保育者を養成。幼稚園教諭、小学校教諭、特別支援学校教諭、保育士の4つの免許・資格を、目指す進路に合わせて取得することができる。国際教養こども学科は、グローバルな視点を養うために国際的な教養を学び、日本語と英語による高いコミュニケーション能力を身につけるカリキュラムを用意。海外への2回の留学と、国内での8回の実習を通して、日本とオーストラリア2か国の保育・幼児教育に関する3つの資格・免許が取得が可能だ。
<表の見方>
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医科・歯科の単科大等を除く全国757大学に2024年春の就職状況を調査。560大学から得た回答を基にランキングを作成した。
設置の※印は国立、◎印は私立、無印は公立。大学名横の*印は大学院修了者を含むことを表す。大学により、一部の学部・研究科を含まない場合がある。大阪公立大は統合前の大阪市立大と大阪府立大の実績を掲載した。