有名企業は入社が難しいと漠然と分かってはいるが、どのくらい難しいか定量化するのは困難だ。そこで、新卒就職者の出身大学の入試難易度を指標として、「企業入社難易度」を算出し、業種別にランキングしてみた。今回はデパート・スーパー・量販・外食などを含む小売業編を見ていこう。
※総合ランキング及び「企業入社難易度」の詳しい説明については、以下の記事を参照のこと。
新卒就職者の出身大学から測る企業入社難易度ランキング2024
2024年11月30日現在
小売業は業種全体として人手不足が続いている。長時間労働やカスタマーハラスメントといったネガティブな印象があることが一因だが、近年はセルフレジ、ロボットなどの導入やハラスメント対策などが進み、労働環境が改善しているケースも少なくない。就職活動に当たっては、イメージに捉われることなく、実態を見極めていきたい。
ランキングの1位は高島屋。1831年創業の、老舗百貨店だ。採用判明数は30人で、新卒就職者の出身大学は、早稲田大7人、同志社大5人、青山学院大、上智大、甲南大各2人と、東大を含む12大学から各1人だ。
2位は、07年に阪急百貨店が阪神百貨店を完全子会社として経営統合した阪急阪神百貨店。主な出身大学は、関西学院大7人、同志社大と関西大各6人、大阪公立大3人、大阪大と兵庫県立大各2人など。阪急百貨店、阪神百貨店とも店舗の多くが近畿圏に集中していることもあり、採用判明数35人のうち34人が二府四県(京都、大阪、兵庫、滋賀、奈良、和歌山)のいずれかにある大学の出身者となっている。
3位は丸井グループ。小売業に加え、クレジットカード「エポスカード」を核としたフィンテック事業を収益の柱とする。出身大学は、明治大4人、関西学院大3人、早稲田大と京都産業大各2人と、16大学から1人ずつ。
4位は三越伊勢丹。出身大学は中央大と明治大各3人、東大と青山学院大各2人と、20大学から各1人だ。
上位4位まで百貨店が並ぶ中、5位に入ったのはファッション通販サイト「ZOZOTOWN」などを運営するZOZO。出身大学は、千葉大、早稲田大、関西学院大各3人と、9大学から各2人、21大学から各1人となっており、幅広い大学から採用を行っていることが分かる。ちなみに千葉大のメインキャンパスである西千葉キャンパスは、ZOZOの本社である西千葉オフィスと至近の距離に位置する。
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