2024年警察官就職者数ランキング
写真=日本大学 三軒茶屋キャンパス
今回は、警察官の就職者が多い大学を紹介する。1位は就職者数112人の日本大学。2位は89人の国士舘大学、3位は77人の東海大学と日本文化大學が並んだ。警察官輩出のために、各大学ではどのような取り組みを行っているのか、順に見ていこう。
1位の日本大学は、法学部公共政策学科に「公安・自治体コース」を設置。警察官や消防官、教員、地方自治体の職員など、公共政策を客観的に評価・分析し、活用・応用できる能力を備えた実務に強い人材を育成する。また、危機管理学部は、自然災害や事故、犯罪、情報流出、テロリズムなど、現代社会のさまざまな脅威に対応しうる危機管理学のスペシャリストを育成。「災害マネジメント」「パブリックセキュリティ」「グローバルセキュリティ」「情報セキュリティ」の4領域から、将来の希望に合わせて主専攻と副専攻を選択して学ぶ。
2位の国士舘大学は、法学部に警察官を主な進路先の一つとして想定する、法律学科の「刑事系コース」と、現代ビジネス法学科の「公共安全コース」を設置。政経学部政治行政学科の「公務員養成コース」や、経済学科の「公共人材育成コース」でも、警察官を志望する多くの学生が学んでいる。また、同大の建学の精神「日本の将来を担う、国家の柱石たるべき眞智識者「国士」を養成する」を具現化する「防災教育」にも力を入れている。全学部の新入生を対象に、災害に係る基礎知識の修得と心肺蘇生法、応急手当、搬送法、初期消火などの実習を行っている。さらに、防災に関する所定の授業単位を修得し、指定された防災士養成研修を受講すれば、「防災士」の受験資格を得ることができる。
3位の東海大学には、警察官を目指せる学科として、政治経済学部の政治学科や、法学部の法律学科がある。また、文学部や体育学部などでも警察官を目指す学生が多く学んでいる。同大は全国に7つのキャンパスを有し、23学部62学科・専攻という幅広い学びを展開。「キャンパス間留学制度」を利用すれば、キャンパスや研究施設の枠を越えて複数の分野を学べる学内留学が可能だ。そのため、学生の興味・関心や卒業後の進路に合わせて、所属する学部学科・専攻以外の学びに取り組み、より専門性を高めることができる。また、全国29の自治体と就職支援協定を結ぶほか、45万人を超える同窓会組織とのネットワークがあり、Iターン、Uターンを含む就職支援体制も整っている。
同じく3位の日本文化大學は、法学部の単科大学として開学し、日本文化の伝統に基づく道徳観や倫理観、礼儀、作法を身につけた豊かな人間性と、リーガルマインドの双方を養う人格教育を実践している。同大では、将来の目標に向けた「履修モデル」を策定し、それを参考に学習計画を自由に立てて学ぶことができる。警察官志望者には「警察官・消防官モデル」があり、少人数による法学教育のもとで刑事政策や危機管理学などを学ぶ。採用試験で有利となるITパスポートの資格も取得できる。また、警察官試験対策としてカリキュラムに職業対応の科目や就職活動対策などを取り入れ、1年次から就職を視野に入れたサポートを行っている。
<表の見方>
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医科・歯科の単科大等を除く全国757大学に2024年春の就職状況を調査。560大学から得た回答を基にランキングを作成した。
設置の※印は国立、◎印は私立、無印は公立。大学名横の*印は大学院修了者を含むことを表す。大学により、一部の学部・研究科を含まない場合がある。大阪公立大は統合前の大阪市立大と大阪府立大の実績を掲載した。