有名企業は入社が難しいと漠然と分かってはいるが、どのくらい難しいか定量化するのは困難だ。そこで、新卒就職者の出身大学の入試難易度を指標として、「企業入社難易度」を算出し、業種別にランキングしてみた。今回は機械・機器・鉄鋼・金属・造船編を見ていこう。
※総合ランキング及び「企業入社難易度」の詳しい説明については、以下の記事を参照のこと。
新卒就職者の出身大学から測る企業入社難易度ランキング2024
2024年11月30日現在
機械・機器・鉄鋼・金属・造船は、日本の成長を支えてきた伝統的な企業が多い。本社や研究所などが近隣の大学との産学連携を積極的に行っているケースが多く、採用にもつながりやすいことから、出身大学に地域性が見られることがある。
ランキングの1位は総合重工メーカーの三菱重工業。エネルギーやプラント、インフラ、航空機、防衛、宇宙といった幅広い事業を展開する。採用判明数は表中最多の352人で、新卒就職者の主な出身大学は、早稲田大26人、九州大24人、大阪大22人、慶應義塾大19人、名古屋大18人など。長崎造船所を源流とすることから、九州大からの採用が例年多い。重工業では、IHIが10位に入っている。
2位は日本製鉄。12年に新日本製鉄と住友金属工業が統合したことで新日鉄住金として誕生。19年から現在の名称となっている。主な出身大学は大阪大15人、東北大14人、九州大13人、京大と慶應義塾大各12人など。新日本製鉄側の源流は官営八幡製鉄所にあり、現在も八幡地区に製鉄所を持つ。福岡県内の大学では、九州大のほか、九州工業大5人、北九州市立大、九州共立大、福岡工業大各1人。
3位は、農業機械のクボタ。主な出身大学は、神戸大32人、大阪大30人、大阪公立大25人、同志社大16人、京大15人など。大阪市内に所在する本社や大阪府堺市のグローバル技術研究所など、近畿圏に拠点が複数あるためか、出身大学も近畿圏の大学が上位を占める。
4位は、建設機械のコマツ。主な出身大学は、金沢大12人、同志社大11人、東京工業大と大阪大各10人、東大8人など。創業の地である石川県小松市の近隣の大学では、金沢大のほかに、公立小松大3人、福井大2人など。
5位は、JFEグループ。JFEホールディングスの傘下にある鉄鋼大手のJFEスチールと、JFEエンジニアリング、JFE商事を合算して就職者を集計している。主な出身大学は、北海道大と大阪大各16人、東北大と九州大各14人、京大12人など。
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業種別編1 商社・コンサル
業種別編2 通信・サービス・公団
業種別編3 マスコミ
業種別編4 金融
業種別編5 食品・水産
業種別編6 化学・医薬品
業種別編7 電気機器・電子
業種別編8 自動車・精密機械・その他製造