有名企業は入社が難しいと漠然と分かってはいるが、どのくらい難しいか定量化するのは困難だ。そこで、新卒就職者の出身大学の入試難易度を指標として、「企業入社難易度」を算出し、業種別にランキングしてみた。今回は化学・医薬品編を見ていこう。
※総合ランキング及び「企業入社難易度」の詳しい説明については、以下の記事を参照のこと。
新卒就職者の出身大学から測る企業入社難易度ランキング2024
2024年11月30日現在
化学・医薬品は、メーカーの中でも入社難易度が高い企業が多く、60を超える企業が9社もある。中でも医薬品は、コロナ禍においてワクチンや治療薬の開発などにより名前が知られ、一般の消費者からの注目度も高まっている。
1位は、世界最大の消費財メーカーとも言われるP&Gが日本で展開するP&Gジャパンだ。多様な国籍の社員が多く、また日本人社員がP&Gの海外拠点で働くこともあるなど、グローバルなネットワークを活用した人材育成を行っている。入社後に成長できる実力主義の外資系企業として、難関大生の人気が高いようだ。採用判明数は61人で、新卒就職者の主な出身大学は、慶應義塾大8人、東大、京大、早稲田大各6人、一橋大5人など。
2位は富士フイルム。スマートフォンやデジタルカメラの普及により写真フイルムの需要は大きく縮小したが、写真分野の技術を生かし、医療機器、製薬、化粧品といったヘルスケア事業への転換を成功させた。主な出身大学は、早稲田大21人、東大と京大各13人、東北大と大阪大各12人など。
3位は三菱ガス化学。主な出身大学は慶應義塾大7人、東京工業大6人、大阪大、東京理科大、早稲田大各5人など。
4位は住友化学。主な出身大学は、大阪大21人、京大14人、東大11人、東北大と九州大各9人など。
5位は中外製薬。採用判明数152人のうち、東大が29人と突出して多い。ほか、京大12人、九州大11人、東北大と東京理科大各10人など。東大からの就職人数は表中の11社中で最も多く、調査対象となる約400社の中でも6番目に多い。東大生に人気の企業の1つといえそうだ。製薬では、7位に武田薬品工業、8位に第一三共、9位にアステラス製薬、10位に住友ファーマが入っている。
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