2024年学部系統別実就職率ランキング(教育系)
写真=安田女子大学
教育系学部の実就職率ランキング1位は、実就職率99.1%の安田女子大・教育学部。2位は98.9%の帝塚山大・教育学部、3位は98.9%の福井大・教育学部がランクイン。4位は98.8%の大阪総合保育大・児童保育学部、5位は98.8%の常葉大・保育学部、6位は98.5%の岐阜聖徳学園大・教育学部、7位は98.3%の聖徳大・児童学部(現・教育学部*)、8位は98.2%の鎌倉女子大・教育学部が続いた。
*2022年に児童学部(児童学科)から教育学部(児童学科、教育学科)に改組・名称変更。
1位の安田女子大・教育学部は、「児童教育」と、2025年4月開設の「幼児教育」の2学科体制だ。児童教育学科は、児童教育について深く学びながら、教育現場や地域と連携した実践的な活動に取り組み、小学校教諭になるための資質・能力を高める。希望者は5年間で学士と修士の学位および小学校教諭1種免許状、中学校教諭1種免許状(国語か英語)、小学校教諭専修免許状を取得できる「学部・大学院5年一貫コース」に進むことも可能だ。幼児教育学科は、幼児教育と保育の基本領域を理解した上で、脳科学や小児科学、人類学などのさまざまな視点から子どもの発達や成長のメカニズムと関わり方を学ぶ。地域の幼稚園や保育園の子どもたちを同大大ホールに招いて学生が劇を披露する「安田子ども劇場」や、同学園内にある幼稚園でのボランティア活動など、実践力を高める場も数多く用意されている。
6位の岐阜聖徳学園大・教育学部は、「学校教育課程」に10専修を設置。2025年4月には保育専修を「保育初等教育専修」に名称変更し、入学定員を30名から50名に増員。さらに、2026年4月には、学校教育課程全体の入学定員を330名から370名に増員する予定だ*。教育委員会や学校との連携のもとに行われる「クリスタルプラン」は特徴的なプログラム。教職に関わる科目を実践的かつ系統的に学ぶ「教職体験科目群」と、地域の子どもとのふれあいを通してコミュニケーション力を伸ばす「子ども理解活動」から構成されている。4年間にわたる数多くの実習を通して、卒業後から即戦力を備えた教員として活躍できるように、指導力や企画力、運営力を鍛えることができる。
*構想中
7位の聖徳大・児童学部(現・教育学部*)は、「保育の聖徳🄬」として90年の歴史を持つ。2022年4月には、児童学部を改組・名称変更し、教育学部として新たにスタート。「児童」と「教育」の2学科を設置した。児童学科は、「幼稚園教員」「保育士」「児童心理」「児童文化」の4コースに加えて、2025年4月より関東の女子大では初の「医療保育」コースを設置する。このコースでは、病児保育や病後児保育、病棟保育のほか、通常の保育で行う医療的ケア児に対応できる保育者を育成する。また、教育学科は、「小学校教員養成」「特別支援教育」「スポーツ教育」の3コースを用意。同大独自の「人間教育」を基盤に、教育改革をリードする実践力を備えた教育の専門家を養成する。
*2022年に児童学部(児童学科)から教育学部(児童学科、教育学科)に改組・名称変更。
8位の鎌倉女子大・教育学部は、小学校から高校までの教員免許状、学芸員、学校図書館司書教諭など、複数の免許・資格の取得を目指すことができる。教育や人間形成について多角的に学び、子どもの気持ちを理解できる人間性と指導力を備えた教員や教育学的知見を持った企業人を養成する。「教職等インターンシップ」では、神奈川県内の小・中学校や博物館などで就業体験を行い、生きた知識とスキルを身につける。また、1年次から段階的に受講できる教員採用試験対策講座や、3年次の教員採用試験対策合宿など、採用試験に向けたサポート体制が整っているほか、教育に関する専門知識を生かして、教育関連企業などで活躍するためのスキルを磨く「企業学習プログラム」も用意している。
<表の見方>
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医科・歯科の単科大等を除く全国757大学に2024年春の就職状況を調査。560大学から得た回答を基にランキングを作成した。卒業生数が80人未満の小規模な学部、通信教育学部、2部・夜間主コースのみのデータは掲載していない。
各系統は、主に学部名称により分類したため、学科構成や教育の内容が似ていても掲載していないものがある。例えば、法学科をもつ大学・学部でも学部名に「法」が付かない場合、法学系に掲載していないことがある。
実就職率(%)は、就職者数÷(卒業生数-大学院進学者数)×100で算出。同率で順位が異なるのは、小数点2桁以下の差による。大学院への進学者数が未集計の場合、実際の数値が掲載している値より高い場合がある。
文部科学省では、就職率を「就職希望者数に占める就職者の割合」で算出することを推奨しているため、各大学が公表している就職率と異なる場合がある。ここでは文部科学省が用いる「就職率」と区別するため、「実就職率」という表記を用いた。
設置の※印は国立、◎印は私立、無印は公立を示す。大学・学部名は現在の名称で掲載している場合がある。所在地は大学本部の所在地で学部の所在地と異なることがある。大阪公立大は統合前の大阪市立大と大阪府立大の実績を掲載した。