2024年学部系統別実就職率ランキング(農学系)
写真=高崎健康福祉大学
農学系の実就職率ランキング1位には、実就職率100.0%の香川大・農学部と、高崎健康福祉大・農学部が並んだ。3位は97.9%の名城大・農学部がランクイン。4位は97.6%の秋田県立大・生物資源科学部と中部大・応用生物学部、6位は97.5%の龍谷大・農学部が続いた。
1位の高崎健康福祉大・農学部は、生物生産学科に「生命科学」「作物園芸システム」「フードサイエンス」「アグリビジネス」の4コースを設置。生命の基礎から食料・食品の生産・開発、流通・販売、ブランディング、マーケティングなど、「食」と「農」の一連のサイクルを体系的に学ぶ。1年次に食と農に関する基礎的な知識や技能を身につけ、3年次から各コースに分かれて専門性を高める一方、コースを越えた横断的な科目選択も可能。食料・農業分野の課題解決と価値創造のための実践力・応用力を磨くことができる。就職支援では、キャリアサポートセンターと、各学科のキャリアサポート委員やアドバイザー教員が連携し、学生一人ひとりの専門性や希望に合わせた支援を行っている。
3位の名城大・農学部は、「生物資源」「応用生物化」「生物環境科」の3学科を擁し、「生命・食料・環境・自然」に関する専門的学識と洞察力を備えた人材の育成を目指す。生物資源学科は、遺伝子からフィールドまで、生物資源の生産・開発・利用を幅広く学ぶ。応用生物化学科は、生命科学を究め、食品・バイオテクノロジー分野で活躍できる力を養う。生物環境科学科は、生物・人・自然の調和を環境面から掘り下げていく。農学部だけではなく理工学部や薬学部の出身者など多様な教員が指導することで、農学の幅広い分野をカバーしているほか、4年次には3学科の学生全員が研究成果を発表する「卒業研究発表会」を開催。学科や研究室の垣根を越えた教育・研究交流の場となっている。
4位の中部大・応用生物学部は3学科を擁し、バイオサイエンスとバイオテクノロジーをキーワードに、現代生物学の基盤となる知識と技術を身につけた、バイオ産業、環境ビジネス、食品産業のエキスパートを育てている。応用生物化学科は、社会的ニーズが高いバイオ産業の第一線で活躍できる研究者・技術者を養成。環境生物科学科は、生物と環境への見識を持ち、次世代の環境創造に貢献できる力を養う。食品栄養科学科は2つの専攻を設置。食品栄養科学専攻は食と栄養に関わる先端バイオを学び、食の未来の創造と課題解決に挑む。管理栄養科学専攻は、多様な職場で通用するバイオサイエンスの基礎を備えた管理栄養士の育成を目指している。
6位の龍谷大・農学部は、食と農が抱える諸問題を「食の循環」のつながりの中で考え、解決する方法を追究する。生命科学科は、最先端の生命科学を学び、多様な生命現象を題材にした研究を通して、食を支える生命のしくみを分子レベルで理解し、幅広く応用する力を磨く。農学科は、土壌・作物などの管理技術や分析技術など、環境に配慮した作物栽培の理論と技術を学び、食や農の課題解決に寄与する人材育成を目指す。食品栄養学科は、栄養や健康の観点から農作物を捉え、食物の生産から流通までを理解した管理栄養士を養成する。食料農業システム学科は、食や農を支える生産と流通のしくみを学び、社会調査やデータ分析を通して食や農に関する社会問題を解決する力を身につける。
<表の見方>
-
医科・歯科の単科大等を除く全国757大学に2024年春の就職状況を調査。560大学から得た回答を基にランキングを作成した。卒業生数が80人未満の小規模な学部、通信教育学部、2部・夜間主コースのみのデータは掲載していない。
各系統は、主に学部名称により分類したため、学科構成や教育の内容が似ていても掲載していないものがある。例えば、法学科をもつ大学・学部でも学部名に「法」が付かない場合、法学系に掲載していないことがある。
実就職率(%)は、就職者数÷(卒業生数-大学院進学者数)×100で算出。同率で順位が異なるのは、小数点2桁以下の差による。大学院への進学者数が未集計の場合、実際の数値が掲載している値より高い場合がある。
文部科学省では、就職率を「就職希望者数に占める就職者の割合」で算出することを推奨しているため、各大学が公表している就職率と異なる場合がある。ここでは文部科学省が用いる「就職率」と区別するため、「実就職率」という表記を用いた。
設置の※印は国立、◎印は私立、無印は公立を示す。大学・学部名は現在の名称で掲載している場合がある。所在地は大学本部の所在地で学部の所在地と異なることがある。大阪公立大は統合前の大阪市立大と大阪府立大の実績を掲載した。