新卒就職者の出身大学から測る企業入社難易度ランキング2024

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新卒就職者の出身大学から測る企業入社難易度ランキング2024

有名企業は入社が難しいと漠然と分かってはいるが、どのくらい難しいか定量化するのは困難だ。そこで、新卒就職者の出身大学の入試難易度を指標として、「企業入社難易度」を算出してみた。気になる企業は、どんな大学からどのくらいの人数を採用しているのだろうか。確認してみよう。

難関と言われる大学の学生は、就職活動ではどのような企業を志望し、就職しているのだろうか。一方の企業側は、新卒採用で「学歴不問」を掲げるところが多いものの、結果としてどんな大学の学生を採用しているのだろうか。これらを知るための指標として、大学通信は大学卒業時の企業別就職者数と、大学入学時の入試難易度を組み合わせて、「企業入社難易度」を算出した。

大学入試難易度は、駿台予備学校の模試の難易度を使用した。企業別就職者数は、日経平均株価指数の採用銘柄や、会社規模、知名度、大学生の人気企業ランキングなどを参考に大学通信が選んだ約400社について、医学部と歯学部の単科大学を除くすべての大学を対象に大学通信がアンケート調査した数値だ。

以上の前提のもと、「企業入社難易度」を次の方法で算出した。難易度68.8の東京大から1人、同64.6の早稲田大から4人、同58.0の立教大から5人を採用した企業があった場合、その企業の入社難易度は、(東京大68.8×1人+早稲田大64.6×4人+立教大58.0×5人)÷合計採用者数10人=61.7になる。採用者の出身大学の入試難易度を、採用人数に応じて加重平均した値といえる。

この企業入社難易度を、採用判明数10人以上の企業を対象にランキングしたのが、表の「企業入社難易度ランキング」だ。大学への調査結果なので、各企業のすべての採用者を網羅しているわけではないが、例年85%以上の判明率となっている。

総合ランキングの1位はボストン コンサルティング グループ(以下BCG)、2位はマッキンゼー・アンド・カンパニー・インコーポレイテッド・ジャパン(以下マッキンゼー)の順だ。これらの外資系コンサルティングファームは待遇の良さや仕事のやりがい、成長できる環境などの理由で難関大の学生から人気を集めている。BCGの採用判明数は48人で、主な出身大学は東大22人、京大12人、早稲田大5人、慶應義塾大3人など。マッキンゼーの採用判明数は56人で、主な出身大学は東大21人、慶應義塾大12人、早稲田大11人、京大4人などだ。

外資系コンサルではほかに、EYストラテジー・アンド・コンサルティング(7位)、デロイト トーマツ コンサルティング(14位)、KPMGコンサルティング(17位)などが上位に来ている。国内発のコンサルではアビームコンサルティング(32位)、野村総合研究所(34位)がある。

3位は医療情報サイトのエムスリー。採用判明者14人のうち、東大が3人、京大、慶應義塾大、早稲田大の出身者がそれぞれ2人などとなっている。

4位は三井物産だ。主な出身大学は、慶應義塾大33人、東大21人、早稲田大20人、京大9人など。総合商社は外資系コンサルと同様の理由で難関大の学生から人気が高く、丸紅(6位)、三菱商事(8位)、住友商事(9位)などが上位にランクインしている。

5位はレーザーテック。今年から調査対象に加えたところ、いきなり上位にランクインした。就職判明者18人のうち、東大が6人、京大と名古屋大が2人ずつなどとなっている。

10位は政府系金融機関の日本政策投資銀行。このランキングではトップ10の常連だ。主な採用大学は、慶應義塾大18人、早稲田大15人、東大11人、一橋大9人、京大5人など。銀行は他に三菱UFJ信託銀行(31位)、三菱UFJ銀行(37位)、三井住友銀行(51位)などだ。

(企業入社難易度の算出方法)
◆就職者数は、各大学へのアンケート調査による。未回答の大学は掲載していない。また、大学により一部の学部・研究科の人数を含んでいない場合がある。調査対象となる主要約400社は、日経平均株価指数の採用銘柄に加え、会社規模や知名度、大学生の人気企業ランキングなどを参考に大学通信が選定した。
◆大学の入試難易度は、駿台予備学校・第二回駿台atama+共通テスト模試(合格可能性80%)を使用した。全データから、2部・夜間主コース、医学部医学科、歯学部歯学科、私立大共通テスト利用入試を除いた難易度の平均を学部平均難易度とし、その平均値を各大学の平均難易度とした。ただし、共通テスト利用入試のみの私立大は共通テスト利用入試のデータを使用した。また、専門職大学は集計外とした。
◆企業入社難易度は、大学の平均難易度×その大学からの就職者数を企業ごとに合計し、その企業の就職者数の合計で割り算した。同じ難易度で順位が異なるのは、小数点第2位以下の違いによる。就職者判明数が9人以下の企業は掲載していない。

 

新卒就職者の出身大学から測る企業入社難易度ランキング2024

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