写真＝穎明館中学高等学校
首都圏では中学受験人気が継続している。しかし、今年はコロナ禍で学校の情報が思うように入手できない。そこで役立てたいのがエキスパートの意見だ。首都圏の学習塾にアンケートを実施し、268学習塾の塾長、教室長から回答を得た。項目別に学校を5校連記で記入してもらい、最初の一貫校を5ポイント、次を4ポイント…として集計した。今回は「生徒や保護者の入学後の満足度が高い中高一貫校」だ。
「生徒や保護者の入学後の満足度が高い」の1位は京華で、こちらは7年連続だ。2位が聖光学院、3位が渋谷教育学園幕張、4位が浅野だった。難度の高い学校が多く、入学できたことへの達成感を感じる生徒や保護者も多い。また、生徒が活動的な学校も多く見られ、志望校に合格し、子どもが楽しい学校生活を送っている様子に保護者は満足しているようだ。
安田教育研究所の安田理代表は次のように話す。「二極化が見られます。生徒が学校外で活躍するのを応援するのが聖光学院や渋谷教育学園幕張、市川、洗足学園などです。もう一方は、生徒に手をかけて育てていく学校です。9位の穎明館は、中学1、2年生らが放課後はみんな残り、下校時間まで図書館でしっかり勉強しています」
穎明館では「EMK未来プロジェクト」として教職員が様々なプロジェクトを工夫し、進学校としての体制を整えている。例えば、習熟度別授業の実施や放課後の自学自習を支援などだ。生徒一人ひとりの理解度に合わせて、学校完結型で学習をサポートしている。さらに、英語の増時間や海外研修、留学制度などグローバル教育にも力を入れている。
7位の富士見では、社会に貢献できる自立した女性の育成を目指し、「自分と向き合う力」「人と向き合う力」「課題と向き合う力」を身につけるプログラムを実施している。具体的には「自分の意見を形成する力」「チャレンジする力」「聴く力」「課題を発見する力」など17の力で構成され、授業の中で教師が目標とする力を声掛けするなど、日々の様々な教育活動の中で生徒が意識できるようにしている。年度末にはふりかえりを行い、生徒自身が身につけた力を確認し、次年度に向けた目標を立てている。
独自の教育プログラムで、中高6年間をかけてじっくり生徒を育てる教育姿勢が保護者に好意的に受け入れられている。
＜表の見方＞
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首都圏の学習塾にアンケートを実施し、268学習塾の塾長、教室長から回答を得た。項目別に学校を5校連記で記入してもらい、最初の一貫校を5ポイント、次を4ポイント…として集計した。
※印は国立、無印は公立、◎印は私立を表す
