2020年学部系統別実就職率ランキング(家政・生活・栄養系)
写真=東海学園大学
専門性の高い資格取得が高い就職率に結びつく
11の学部系統別平均実就職率のうち、家政・生活・栄養系は93.5%と最も高い結果となった。この系統は、管理栄養士や保育士、教員免許といった資格取得が可能な学部が多く、そうした点が就職に有利に働き、毎年の高い就職率につながっている。
ランキングトップ3は、1位に99.2%の仁愛大・人間生活学部、2位に99.0%の東海学園大・健康栄養学部、3位に98.4%のノートルダム清心女子大・人間生活学部が並ぶ。
3位のノートルダム清心女子大をはじめ、トップ10のうち4校が女子大で、それ以外の大学でも学部内の女子学生の比率が高い傾向にある。
管理栄養士国家試験対策に力を入れる東海学園大
ランキング2位の東海学園大・健康栄養学部は、1年次からはじまるキャリア・サポート・プログラムが特色だ。入学直後から職業に関する知識や考え方を段階的に身につけていく。2年次からは企業、公務員、教員といった希望するキャリアに合わせたプログラムでスキルを磨く。
また、管理栄養士国家試験をめざす学生のために、自習室と相談窓口を備えた専門の支援室を設置するなど、きめ細やかなサポートを行っている。
衣食住の専門分野の就職に強い岐阜女子大・家政学部
写真=岐阜女子大学
4位は97.9%の四国大・生活科学部、5位は97.8%の岐阜女子大・家政学部だ。
岐阜女子大・家政学部は、管理栄養士などをめざす健康栄養学科のほか、衣食住のスペシャリストをめざす生活科学科があり、医療・福祉や学校教育、食品関連分野のほか、住居やインテリア、不動産関連分野など、学科や専攻ごとに専門性の高い分野への就職を実現している。
また、全学部共通の就職支援プログラムとして、自己探究や自己表現、業界研究、インターンシップなどの必修授業を実施している。
管理栄養士国家試験の受験率・合格率ともに高い名古屋学芸大
97.5%で6位となった名古屋学芸大・管理栄養学部は、例年卒業生のほぼ全員が管理栄養士国家試験を受験するなど、合格率だけでなく受験率の高さが特徴だ。2020年度の合格者数162人は全国5位、中部地区1位の実績を誇る。
管理栄養士の仕事は幅広いが、同学部では独自の医療系科目を充実させるなど、病院管理栄養士として活躍できる医療領域での学びに力を入れており、病院への就職に強さを発揮している。
7位は97.3%の新潟県立大・人間生活学部、8位は96.8%の安田女子大・家政学部、9位は96.7%の昭和女子大・生活科学部、10位は96.6%の関東学院大・栄養学部という結果となった。
<表の見方>
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医科・歯科の単科大等を除く全国735大学に2020年春の就職状況を調査。551大学から得た回答(11月18日現在)を基に、ランキングを作成した。卒業者数が80人未満の小規模な学部、通信教育学部、2部・夜間主コースのみのデータは掲載していない。データを未公表、または未集計の大学・学部は掲載していない。
各系統は、主に学部名称により分類したため、学科構成や教育の内容が似ていても掲載していないものがある。例えば、法学科をもつ大学・学部でも学部名に「法」が付かない場合、法学系に掲載していないことがある。
実就職率(%)は、就職者数÷(卒業者数-大学院進学者数)×100で算出。同率で順位が異なるのは、小数点2桁以下の差による。大学院への進学者数が未集計の場合、実際の数値が掲載している値より高い場合がある。
文部科学省では、就職率を「就職希望者数に占める就職者の割合」で算出することを推奨しているため、各大学が公表している就職率と異なる場合がある。ここでは文部科学省が用いる「就職率」と区別するため、「実就職率」という表記を用いた。
設置の※印は国立、◎印は私立、無印は公立を示す。大学・学部名は現在の名称で掲載している場合がある。所在地は大学本部の所在地で学部の所在地と異なることがある。