2020年学部系統別実就職率ランキング(商・経営系)

ランキング ライター 林 郁子
2020年学部系統別実就職率ランキング(商・経営系)

写真=安田女子大学

安田女子大の学生一人ひとりに合わせたきめ細やかな就職サポート

商・経営系のランキング1位は100.0%の同率で、静岡県立大・経営情報学部と昭和女子大・グローバルビジネス学部、安田女子大・現代ビジネス学部が並んだ。

安田女子大の現代ビジネス学部は同ランキング2年連続の1位となる。同学部は、学生一人ひとりに向き合った支援体制として、クラス担任が大学生活全般をサポートするチューター制度を採用している。就職においても、チューターがキャリアセンターの専任スタッフと連携しつつ、学生の個性や適性をふまえたサポートを実践。進路決定や就職先選びについて、状況に応じた適切なアドバイスを行っている。

また、倍率の高い金融業界・旅行業界などを志望する学生に対しては、業界別攻略ワークショップを開いている。

こうしたきめ細やかな取り組みが、就職実績につながっている。

不動産や建設・住宅分野に強い東京都市大・都市生活学部

2020年学部系統別実就職率ランキング(商・経営系)写真=東京都市大学


ランキング4位は、98.2%の東京都市大の都市生活学部。商学・経営学に基礎をおき、国内外の都市における「社会課題」を分析し、解決する能力育成を目指す学部だ。同学部のキャリア形成教育は、1年から3年まで段階的に進められる。1年次には少人数のクラス単位で社会人基礎力の育成と、担当教員の個人面談によるキャリア形成。2年次と3年次には、資格取得や国内外でのインターンシップ、海外大学との共同のワークショップといった活動を通して、キャリアデザインを進めていく。

就職先は、専門性を生かした都市のマネジメントや住生活サービスにかかわる不動産開発、建設・住宅分野を筆頭に、多種多様な分野におよんでいる。

サービス創造に実践的に取り組む千葉商科大

2020年学部系統別実就職率ランキング(商・経営系)写真=サービス創造学部の学生がイベントをプロデュースした千葉商科大学スペシャルマッチデ―

5位は97.7%の宮城学院女子大・現代ビジネス学部、6位は96.8%の東京理科大・経営学部、7位は96.7%の千葉商科大・サービス創造学部、8位は96.5%の東北福祉大・総合マネジメント学部、9位は95.9%の中部大・経営情報学部、10位は95.8%の愛知学院大・経営学部という順になった。

7位の千葉商科大のサービス創造学部は、新たなサービスを発想し実現することを目指す、日本で唯一の学部だ。同学部では、60社におよぶ公式サポーター企業が教育を支援しており、連携して講義やプロジェクト活動、インターンシップなどを実施している。このうちプロジェクト活動では、学問や企業から学んだ知識を、サポーター企業などの指導のもとに実践。リアルなビジネス現場で、サービスを生み出す体験ができる貴重な取り組みとなっている。

商・経営系は、大学や学部ごとに学べる内容が多様だが、企業など社会との関わりを生かし、実践的な知識やスキルを身につける取り組みが、就職の後押しをしている。

<表の見方>

医科・歯科の単科大等を除く全国735大学に2020年春の就職状況を調査。551大学から得た回答(11月18日現在)を基に、ランキングを作成した。卒業者数が80人未満の小規模な学部、通信教育学部、2部・夜間主コースのみのデータは掲載していない。データを未公表、または未集計の大学・学部は掲載していない。
各系統は、主に学部名称により分類したため、学科構成や教育の内容が似ていても掲載していないものがある。例えば、法学科をもつ大学・学部でも学部名に「法」が付かない場合、法学系に掲載していないことがある。
実就職率(%)は、就職者数÷(卒業者数-大学院進学者数)×100で算出。同率で順位が異なるのは、小数点2桁以下の差による。大学院への進学者数が未集計の場合、実際の数値が掲載している値より高い場合がある。
文部科学省では、就職率を「就職希望者数に占める就職者の割合」で算出することを推奨しているため、各大学が公表している就職率と異なる場合がある。ここでは文部科学省が用いる「就職率」と区別するため、「実就職率」という表記を用いた。
設置の※印は国立、◎印は私立、無印は公立を示す。大学・学部名は現在の名称で掲載している場合がある。所在地は大学本部の所在地で学部の所在地と異なることがある。

2020年学部系統別実就職率ランキング(商・経営系)