2020年学部系統別実就職率ランキング(経済系)
写真=ノースアジア大学
全国の経済学部でトップの就職率を誇るノースアジア大
経済系の1位はノースアジア大の経済学部で100.0%だ。
同学部は国公立大を含む全国の経済学部の中で、ここ数年トップを維持するなど就職の強さで知られている。就職先も多岐にわたり、大手企業の総合職をはじめ、銀行などの金融、鉄道や郵政などの公共機関、県庁や市役所、学校教員、警察官、消防士などを含む公務員など、幅広い分野に進路が広がっていることが特徴だ。
同学部では、経済学を環境学・心理学・国際学・情報学などを包括する「総合科学」と捉え、学生の進路志望に合わせた「公務員コース」、「金融コース」、「スポーツ経営コース」、「国際ビジネスマネジメントコース」の4コースで、専門性の高い学びを実現している。
多くの企業が協力する実学講座を実施する大和大・政治経済学部
写真=大和大学
ランキングの2位は99.1%の大和大・政治経済学部だ。
同学部では、学生の職業観の養成や課題意識、知識・能力の獲得のために、日本・関西を代表する企業の経営陣を講師に招いた実学講座を週1回実施している。各企業の経営戦略を知り、仕事に対する考え方を深める機会となっている。
また、1年生の希望者を対象に松下政経塾での合宿研修を実施するほか、企業見学やインターンシップなど入学当初からキャリア形成を支援するかずかずの取り組みが行われている。
福祉分野を担う経営者を育成する日本福祉大
3位は96.9%の愛知学院大、4位は96.0%の富士大、5位は同率で日本福祉大と続く。
日本福祉大は、社会福祉学部をはじめとし、教育・心理やスポーツ科学、健康科学などの分野で福祉のスペシャリストを育成する総合大学。その中で、経済学部では、地域金融機関や医療・福祉の経営部門への就職が多い。
同学部では、企業や医療・介護に関わる団体、行政など幅広い分野のビジネスリーダーを招き、経営戦略やマネジメントを学ぶ「特別講義I(経営者講座)」を実施している。学生が現場で学ぶ体験型講義なども行っており、実践的な学びと職業理解が、就職率の高さにも反映されているのだろう。
専門性の高い大学に集まる評価
6位と7位は国立大で、95.7%の名古屋大と95.3%の一橋大がランクインした。
8位は95.3%の岐阜聖徳学園大の経済情報学部だ。同学部では現代ビジネスに必要なスキルとして、経済に情報の学びを融合させている。就職先は、銀行などの金融系をはじめ、民間企業や商業高等学校の教員、公務員などだ。就職支援科目として「キャリアデザイン」の学びを2年次からスタート。職業意識の育成やビジネスマナーの習得など社会人の基礎力を身につけることから始まり、インターンシップ、就職活動に役立つ知識やテクニックの習得と学年に応じた内容で就職をバックアップする。
9位は95.2%の青森公立大、10位は95.1%の東北大学と、トップ10のうち国公立大が4校ランクインした。
<表の見方>
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医科・歯科の単科大等を除く全国735大学に2020年春の就職状況を調査。551大学から得た回答(11月18日現在)を基に、ランキングを作成した。卒業者数が80人未満の小規模な学部、通信教育学部、2部・夜間主コースのみのデータは掲載していない。データを未公表、または未集計の大学・学部は掲載していない。
各系統は、主に学部名称により分類したため、学科構成や教育の内容が似ていても掲載していないものがある。例えば、法学科をもつ大学・学部でも学部名に「法」が付かない場合、法学系に掲載していないことがある。
実就職率(%)は、就職者数÷(卒業者数-大学院進学者数)×100で算出。同率で順位が異なるのは、小数点2桁以下の差による。大学院への進学者数が未集計の場合、実際の数値が掲載している値より高い場合がある。
文部科学省では、就職率を「就職希望者数に占める就職者の割合」で算出することを推奨しているため、各大学が公表している就職率と異なる場合がある。ここでは文部科学省が用いる「就職率」と区別するため、「実就職率」という表記を用いた。
設置の※印は国立、◎印は私立、無印は公立を示す。大学・学部名は現在の名称で掲載している場合がある。所在地は大学本部の所在地で学部の所在地と異なることがある。