2020年学部系統別実就職率ランキング(文・人文・外国語系)
写真=名城大学
産学連携の取り組みでキャリア教育を実施する名城大・外国語学部
文・人文・外国語系のランキングトップ10では、愛知県立大の外国語学部が96.5%で1位、95.5%の日本文化学部も4位、にランクインした。
2位は名古屋大・文学部で95.8%、3位は昭和女子大・人間文化学部で95.6%となった。
94.9%で5位となった名城大の外国語学部では、1年生の必修科目「基礎演習I」で、民間企業と連携して、Future Skills Project (FSP)と呼ばれるプログラムを実践している。FSPは学生がチームで民間企業が実際に抱える課題に取り組み解決方法を模索することで、協働する力や仕事に対する視野を広げる産学連携のプロジェクトだ。
特別講師によるキャリアデザインに力を入れる南山大・外国語学部
94.7%で6位となった南山大の外国語学部では、正規科目として「キャリアデザイン」の授業を実施し、学生の人生設計や就業への意識を高める取り組みを行っている。
「キャリアデザイン」の科目は、海外で事業展開を行う中部圏の企業やグローバル企業からの特別講師による講義と、学生同士による討論会で構成されており、外国語を学ぶ学生たちが学びを生かしたキャリア形成を考える手助けとなっている。
社会との関わりによってキャリア意識を育てる
写真=玉川大学
7位は東京家政大・人文学部、8位は三重大・人文学部、9位は武庫川女子大・文学部で、実就職率はいずれも94.3%となっている。
10位は玉川大・文学部の94.1%で、教員、公務員をはじめ幅広い分野の企業へ就職している。同学部では、卒業生や企業の採用担当者などを招いたセミナーや、企業へのインターンシップだけでなく、中学校でボランティアとして働く教育インターンシップなども実施し、就職に必要な社会人基礎力の習得を促している。
文・人文・外国語系の学部では、学部ごとの専門性の学びを深める一方、産学連携やインターンシップなど社会との関わりを深めることで、学生のキャリア意識を育てる取り組みが積極的に行われている。
<表の見方>
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医科・歯科の単科大等を除く全国735大学に2020年春の就職状況を調査。551大学から得た回答(11月18日現在)を基に、ランキングを作成した。卒業者数が80人未満の小規模な学部、通信教育学部、2部・夜間主コースのみのデータは掲載していない。データを未公表、または未集計の大学・学部は掲載していない。
各系統は、主に学部名称により分類したため、学科構成や教育の内容が似ていても掲載していないものがある。例えば、法学科をもつ大学・学部でも学部名に「法」が付かない場合、法学系に掲載していないことがある。
実就職率(%)は、就職者数÷(卒業者数-大学院進学者数)×100で算出。同率で順位が異なるのは、小数点2桁以下の差による。大学院への進学者数が未集計の場合、実際の数値が掲載している値より高い場合がある。
文部科学省では、就職率を「就職希望者数に占める就職者の割合」で算出することを推奨しているため、各大学が公表している就職率と異なる場合がある。ここでは文部科学省が用いる「就職率」と区別するため、「実就職率」という表記を用いた。
設置の※印は国立、◎印は私立、無印は公立を示す。大学・学部名は現在の名称で掲載している場合がある。所在地は大学本部の所在地で学部の所在地と異なることがある。