改革力が高い大学ランキング2019(全国編)
写真=近畿大学
多くの受験生が迷うのが志望校選び。そこで頼りになるのがエキスパートの意見だ。全国の進学校2000校に、進路指導教諭おすすめの大学についてアンケートを行った。各項目5校連記で大学を記入してもらい、最初の大学を5ポイント、次の大学を4ポイント…として集計しランキングを作成した。今回は改革力が高い大学ランキング(全国編)だ。
志願者数トップクラスの大学が多数ランクイン
全国1位となったのは、273ポイントを獲得した近畿大だ。同ランキングの1位は4年連続となる。
2位は213ポイントの東洋大、3位は180ポイントの東北大、4位は163ポイントの早稲田大、5位は162ポイントの立命館大、6位は137ポイントの東京大、7位は98ポイントの京都大、8位は79ポイントの明治大、9位は75ポイントの筑波大と広島大という結果となった。
トップの近畿大と2位の東洋大は、2019年の志願者数ランキングでも同様に1位と2位となった大学だ。4位の早稲田大、5位の立命館大などもふくめ、同ランキング上位は、ここ数年の志願者数ランキングの上位校でもある。改革力の高い大学に寄せられる、受験生からの期待のあらわれといえるかもしれない。
時代のニーズに応え改革を進める近畿大
トップの近畿大は、文系から理系まで14学部48学科を有する西日本最大規模の総合大学だ。社会の諸問題と向き合う「実学教育」は全国的に知られ、志願者数ランキングではここ数年首位の座を守り続けている。
日本初の建築学部(11年)や国際学部(16年)などの新学部の開設や、東大阪キャンパスの大規模整備など、時代のニーズに合わせた取り組みが、改革力の高い大学としての評価につながっている。
新しい時代に対応する数々改革が進行中の東洋大
2位の東洋大は、14年度に文科省の「スーパーグローバル大学創成支援」タイプB(グローバル化牽引型)に採択されたことを機に、世界中のグローバルリーダーが集う「アジアのハブ大学」を目指した改革を実施。15年から「異文化環境における英語運用表現力」などを強化する「東洋グローバルリーダー(TGL)プログラム」を開始している。
17年には情報連携学部の設置に伴い、赤羽台キャンパスを開校。同キャンパスでは今後も新校舎や国際寮の竣工などが予定されている。
また、新しい社会ニーズに対応した学部学科の再編も進められており、こうした学生によりよい学びの機会を提供する姿勢が高く評価されている。
創立150周年に向けた改革を掲げる早稲田大
4位の早稲田大は、32年の創立150周年に向け、「Waseda Vision 150」と題して、「世界に貢献する高い志を持った学生」、「世界の平和と人類の幸福の実現に貢献する研究」、「グローバルリーダーとして社会を支える卒業生」、「世界に信頼され常に改革の精神を持って進化し続ける大学」という4つのビジョンを設定。その実現に向け、「入試制度の抜本的改革」、「グローバルリーダー育成のための教育体系の再構築」、「対話型、問題発見・解決型教育への移行」など13の戦略を進めている。
<表の見方>
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全国の進学校約2000校の進路指導教諭にアンケートを実施し、857校からの回答を基にランキングを作成。5校連記で記入をしてもらい、1番目の記入校を5ポイント、2番目を4ポイント、3番目を3ポイント…として集計した。2019年7月調査。
大学名の◎は私立、※は国立、無印は公立を表す。