小規模だが評価できる大学ランキング2019(全国編)
写真=武蔵大学のゼミ風景
多くの受験生が迷うのが志望校選び。そこで頼りになるのがエキスパートの意見だ。全国の進学校2000校に、進路指導教諭おすすめの大学についてアンケートを行った。各項目5校連記で大学を記入してもらい、最初の大学を5ポイント、次の大学を4ポイント…として集計しランキングを作成した。今回は小規模だが評価できる大学ランキング(全国編)だ。
地方の個性ある大学にも高い評価
ランキングのトップは283ポイントの国際教養大、2位は211ポイントの武蔵大、3位は145ポイントの国際基督教大、4位は125ポイントの金沢工業大、5位は99ポイントの会津大、6位は98ポイントの産業能率大、7位は67ポイントの公立はこだて未来大と都留文化大、9位は60ポイントの津田塾大、10位は53ポイントの成城大という結果となった。
国際教養大や会津大など、単科大学が多いことが、このランキングの特徴である。
また、首位の国際教養大(秋田)をはじめ、金沢工業大(石川)や会津大(福島)など、トップ10中、東京以外の大学が5大学ランクインしており、地方の個性ある大学にも評価や期待が寄せられていることが見てとれる。
ゼミに力を入れる武蔵大
ランキング2位の武蔵大は、経済学部、人文学部、社会学部の3学部8学科からなる文系総合大学で、少人数制のきめ細やかな教育が大きな特色だ。なかでも全学生が1年次から参加するゼミでは、1ゼミあたり平均14人という少人数形式を採用。学生たちは、対話を通じて物事の本質を見極め、さらなる探究へと取り組める環境が整えられている。
また、ゼミ大会や卒業論文報告会など、学部ごとにゼミでの研究成果を発表する舞台が設けられており、学生たちのゼミ活動の目標の一つとなっている。
少人数教育の伝統校、成城大と成蹊大
ランキング10位の成城大と、12位の成蹊大(44ポイント)は、共に少人数教育をモットーとする伝統校だ。
成城大は、1917年に創立された成城小学校に始まる学校法人成城学園を母体とし、1950年に開設された。経済学部、文芸学部、法学部、社会イノベーション学部の文系4学部11学科で構成されている。
「自由な発想で自分の好きなことを発見して学ぶ」ことを目指す教育姿勢は、自由度の高いカリキュラムなどに反映されている。主体的・能動的に学ぶアクティブラーニングを促進するために、ゼミなど対話を重視した少人数教育を実施するほか、学生たちが自由に集まり議論できるスペースづくりなど、施設の充実も図られている。
成蹊大は、1912年創立の成蹊実務学校を源流とする大学で、創立時から教職員と学生が緊密な信頼関係を築くことができる少人数教育を重視している。
1年次に行われる夏季留学の「サマースクール」や、企業を学びの場とする「丸の内ビジネスコース」など、社会と関わりながら主体的に学ぶ教育プログラムによって、学生の主体的な学びを支援している。
<表の見方>
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全国の進学校約2000校の進路指導教諭にアンケートを実施し、857校からの回答を基にランキングを作成。5校連記で記入をしてもらい、1番目の記入校を5ポイント、2番目を4ポイント、3番目を3ポイント…として集計した。2019年7月調査。
大学名の◎は私立、※は国立、無印は公立を表す。