面倒見が良い大学ランキング2019(全国編)
写真=金沢工業大学、航空機のエンジン内部の空気の流れの解析に取り組む学生
多くの受験生が迷うのが志望校選び。そこで頼りになるのがエキスパートの意見だ。全国の進学校2000校に、進路指導教諭おすすめの大学についてアンケートを行った。各項目5校連記で大学を記入してもらい、最初の大学を5ポイント、次の大学を4ポイント…として集計しランキングを作成した。第1回は面倒見が良い大学ランキング(全国編)だ。
15年連続トップの金沢工業大
トップは金沢工業大が424ポイントで、調査開始以来15年連続のトップに立った。進路指導教諭からは、「理系分野の基礎基本から力をつけるカリキュラム」(北海道・公立高)、「教員に親近感を持て、生徒の目的意識を高めている」(富山・公立高)、「入学後の生徒の変容ぶりから面倒見の良さを感じる」(岐阜・公立高)、「授業、就職など、きめ細かく指導している」(愛媛・公立高)などの声が上がる。リメディカル教育(学力が一定水準に達しない新入生への補習教育)の充実を評価する声が多い。
武蔵大の特徴は少人数教育
写真=武蔵大学のゼミ風景
2位は東北大で212ポイント、3位は武蔵大で135ポイント、4位は国際教養大で99ポイント、5位は明治大で81ポイントだ。
3位の武蔵大は、”ゼミの武蔵”と呼ばれるほどゼミナール形式の授業が有名だ。今でこそ少人数・双方向で行うアクティブラーニングは一般化してきたが、武蔵大では昔から実践しており、4年間必修となっている。この少人数・双方向教育の伝統が「面倒見が良い大学」という評価につながったのかもしれない。この伝統はキャリア支援でも生かされており、学生が主体的に自らの進路を考え、決定できるような指導を行っている。
産業能率大の手厚い就職支援が評価
写真=産業能率大学のゼミ風景
6位は産業能率大で76ポイント、7位は九州工業大と福岡工業大で75ポイント、9位は東京理科大で74ポイント、10位は東京大で51ポイントだ。
6位の産業能率大は、企業出身の教員比率が7割を超えるなど、ビジネスの現場での実践力を学べる「産業界に最も近い高等教育機関」とも呼ばれる大学だ。面倒見の良さの評価も、就職支援に関するものだろう。ゼミ教員とキャリアセンターの担当職員との手厚いダブルサポートを行っており、2019年春卒業生の実就職率*は95.3%、東京都内の大学では9位という高い実績を誇っている。
*実就職率=就職者数÷(卒業生数-大学院進学者数)×100で算出
<表の見方>
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全国の進学校約2000校の進路指導教諭にアンケートを実施し、857校からの回答を基にランキングを作成。5校連記で記入をしてもらい、1番目の記入校を5ポイント、2番目を4ポイント、3番目を3ポイント…として集計した。2019年7月調査。
大学名の◎は私立、※は国立、無印は公立を表す。