私立大センター試験利用入試は志願者減
安全志向強く、難関大への出願が消極的
大学入試センターは24日、20年のセンター試験において得点調整は行わないと発表した。
同日に公表されたセンター試験平均点(中間集計その2)で、得点調整対象科目となる教科の科目間の最大平均点差が、地理歴史は3.39点(最高が地理Bの66.35点、最低が世界史Bの62.96点)、公民は11.62点(最高が倫理の65.37点、最低が政治・経済の53.75点)。理科②は5.89点(最高が物理の60.69点、最低が化学の54.80点)だった。得点調整の条件となる、問題の難易差に基づく20点以上の平均点差には、いずれも該当しなかった。
国語、英語、数学と、主要教科の平均点がダウンした。大学入試センターから発表されない5教科7科目の総合点は、大手予備校の推定では文系・理系ともに下がっている。
私立大のセンター試験利用入試は、センター試験前に出願を締め切る大学が多い。志願者数は現時点で集計中というところがほとんどだ。1月28日までに判明した志願者状況を見ていこう。*は出願受け付け中または集計中で未確定の大学、印のない大学は確定値で、昨年データと比較した。
センター利用入試は、併願しやすさから例年人気が高いが、20年は志願者の減少が目立つ。
首都圏難関大では、早稲田大(センター)が14%減、青山学院大(センター)は21%減、立教大(センター3・4・6科目型)は20%減、明治大14%減となっている。集計中の中央大(センター単独・センター併用)*は13%減、法政大(センターB・C)*は23%減、東京理科大(A方式)も14%減だ。
増加した大学を挙げると、拓殖大(センター1期)*が58%の大幅増。上位の大学が敬遠される傾向に加え、併願割引制度の手厚さなども増加の一因だろう。その他には、日本大(C方式)*が9%増、東京工科大(センター前期)*が29%増、千葉工業大(センター前期)が15%増。
近畿圏では、立命館大(センター・センター併用)*が6%増えたほかは、同志社大(センター)*が10%減、関西学院大(センター1月・関学独自)が17%減、関西大(センター前期・中期)*が20%減となっている。
難関大で志願者が減る一方、それに次ぐレベルの大学もほとんどが減少している。来年からの新テストを前に、20年は安全志向が強まっている。推薦・AO入試で合格を決めた受験生も多く、一般入試受験者が全体的に減っているようだ。