大学での学びと生活を体験 進路を考える夏のオープンキャンパス
常葉大学のオープンキャンパス 学生スタッフ=写真
7、8月はほとんどの国公私立大がオープンキャンパスを実施する。キャンパスの立地や広さ、スタッフを務める在学生や教員の雰囲気、校舎や施設などは、実際に足を運んでみなければ分からない。大学を知る貴重な機会とあって、高校3年生のほか保護者や進路指導教諭、高校2年生以下の生徒など、参加者も多様だ。
ここ数年、私立大が難化した影響により、以前より併願校数が増えている。実際に訪問して、魅力を感じた大学の中から併願校を選ぶことができれば、入学後のミスマッチも起こりにくい。
プログラムは説明会、授業体験、施設見学、学食体験、相談コーナーなど。小規模大学の中には、決められたタイムスケジュールに沿って参加者全員が同じプログラムを体験するところもある。一般的には参加者がプログラムを自由に選ぶ形式が多い。
各大学がホームページ等で公表しているプログラムを事前に調べ、どれに参加するか予め計画を立てておくと効率的だ。なお、国公立大は入場や各プログラムへの参加を事前申込み制とするところがほとんどだ。
説明会は、大学の特徴や入試制度、奨学金、留学制度、キャリア支援など、その大学を短時間で理解できるように工夫されている。受験を考えている生徒には、入試の制度・方式の説明や、一般入試や推薦入試の入試対策講座は必須の情報だ。オープンキャンパスへの参加をAO入試の出願条件や選考過程に位置づける大学も少なくない。最近増えている事前予約型の奨学金制度は、秋から募集が始まるため、こうした情報も夏までに収集しておきたい。
模擬講義やゼミ体験は、学部・学科で学ぶ内容や考え方を高校生にも分かりやすく教えてくれる。学問と社会とのつながりやその分野の将来性まで、工夫をこらした授業が展開される。同じ学部でも、大学により内容はさまざまだ。
理系学部では研究室を公開する大学もあり、日頃の実験風景や最新の研究成果、実験設備などを目の当たりにできる。これらの体験が志望校や志望学部を選ぶ決め手になったという受験生は多く、人気が高い。普段の授業公開や授業体験だけのイベントを企画する大学も増えている。
夏に行われるオープンキャンパスは規模が大きく、2日間連続で実施したり、複数のキャンパスをシャトルバスで結ぶなど大学でも力を入れている。夏休み後も、一般入試直前まで時期に応じたプログラムを用意して実施している大学もあり、ほぼ通年化している。