近畿大学が6年連続志願者トップ
安全志向の強まりで、上位大学で志願者減が顕著
トップは6年連続で近畿大、2位に初の東洋 法政、明治、早稲田が続く
今年の私立大の一般入試の延べ志願者数が、ほぼ確定してきた。まだ、出願受付中の大学もあるが、3月13日段階では、表のような結果となった(主な私立大学約100校を調査。一般入試のみで、2部・夜間主コース等含む。3月13日現在。*は志願者数確定)。
トップは6年連続で近畿大学だ。1553人減だが15万4672人と15万人を超えた。2位は初めてとなる東洋大学で、6569人増の12万2010人で過去最高の志願者数となった。3位は法政大学、4位は明治大学、5位は早稲田大学だ。早稲田大学は昨年の4位から順位を落とした。6位に日本大学が入り、ここまでが10万人超だ。昨年と同じく6校が10万人を超えたが、順位の入れ替わりがあった。
今年の入試の特徴は、上位大で志願者減が顕著だったことだ。早慶上理(早稲田、慶應義塾、上智、東京理科)では、東京理科大学だけが増え、全体で2.8%の志願者減。MARCH(明治、青山学院、立教、中央、法政)では中央大学だけが増え、3.8%の志願者減。関関同立(関西、関西学院、同志社、立命館)では、関西大学だけが増え、4.1%の志願者減だった。昨年は慶應と関西学院を除いて志願者増だったから逆の結果となった。
2016年から始まった大都市圏の定員厳格化の影響で、合格者が減り難易度が上がったこともあって上位大は敬遠された。私立大全体では志願者は4%増と見られている。少子化で受験生数は減っていることから、受験生は併願校を増やしたことは確かだ。昨年は難関大でも併願校を増やした受験生が多かったが、今年はより安全に確実に合格を手に入れる方向に動いた。難易度50未満の大学・学部で志願者が激増している。
2021年の大学入試改革を控え、現役進学志向が強まる
こうなったのも、現役進学志向が背景にある。2021年入試から大学入試改革が行われ、現行のセンター試験が廃止になり、大学入学共通テストが始まる。共通テストでは、外部英語試験の成績が必要で、国語と数学にマーク式だけではなく記述試験も課される。この負担増から、センター試験最後となる来年入試は、今まで以上に安全志向、現役志向が強まると見られている。それは入試が厳しくなることに他ならない。そのため、今年、入試に失敗すると、その厳しい入試に挑むことになり、それを避けようとの意識が高まり、安全志向が顕著になったと見られる。
この状況下で、今年もっとも志願者が増えたのが武蔵野大学で14,066人、57.4%増だった。経営とデータサイエンスの2学部を新設し人気を集めた。次いで千葉工業大学、専修大学の順だった。